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Ⅰ 強制結婚!!①
光が眩しかった。
(朝……)
陽光 がオレンジに輝いている。
今日最後の光が柔らかに白いシーツに訪れる。
朝じゃない。
(ずっと寝てたのか……)
見慣れない天井、見慣れないベッド、見慣れない家具。
金の蝶番 に至るまで、繊細な彫刻が掘られている。
アンティーク……だろうか。
ここ、大学のΩ寮じゃない。
ベッドと机だけの小さな部屋。こんな家具置いただけで埋まっちゃうよ。
(そうだ!)
一講時目!遅刻する!
欠席したらイエローカード。留年の危機だ。
スプリングが跳ねる。
まだ重い体を無理矢理、ベッドから叩き起こす。
(って!)
窓から射し込む陽が落ちた。
もう夕方。一講時目はとっくに終わっているよ!
どうしよう~~
………あれ?
なんで俺……体、動かないんだ?
今日は五講時目までギッシリ入っている。とにかく大学に走らなきゃ。
ここがどこだか分からないけど。
全授業欠席はなんとしても避けたい。
(なのに!)
体が~~
だけじゃない。
顔すら動かせない。
(あたたかい……)
温もりに頬っぺたが包まれている。
抵抗できなくて………
どうして俺、目を瞑 っちゃったんだろう………
触れてはいけない。
早く!
この手は解かねばならない枷なのに。
優しさは残酷なんだ。
逃れられなくなる………
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