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第82話

「だめっ、しら…ぃ」 星の身体は、キスだけで蕩ける。 何度か交わした口付けが、そのことを俺に教えてくれた。ゆるゆると存在を示し始めた星のモノに触れつつ、俺はワンピース状態のTシャツをたくし上げて、星の口に持っていく。 「ダメなら、これでも咥えとけ」 ダメと言いつつ抵抗する素振りを見せない星は俺にされるがまま、小さな口でパクッとシャツを咥え、そして観念したように目を閉じた。 「いい子だ、星」 今まで抱いた、どの女より。 可愛くて、愛おしくて、大切で、壊したい。 性別なんて関係なく、目の前にいる愛らしい存在にもっと触れたいと思う俺は、反省と過ちを繰り返しながらも先へと進んでいく。 ソファーに身体を預け、裸体を自ら晒しているかのような星の姿に、興奮しないわけがないから。 俺の手の中でヒクヒクと疼く星のモノを優しく弄りながら、俺は真っ平らな胸に顔を埋めた。 「ふぁっ、んッ…ンン」 何もかもが初めてのクセに、一丁前に反応する星はさっきとは違う涙を流しながら、必死に刺激にたえているようだった。 星の肌はとても滑らかで、身体のどの部分に触れても気持ちが良い。白いはずの肌色が薄らとピンク色に染まってゆく度、俺の心は安堵しながらも指先は星の素肌に吸い付いたまま離れることがない。 他人に泣き顔を見せ、更には身体を許さなければならない状態で……それでも、星の手は縋るように伸びてくるのだから不思議なものだ。 「ン、っ…んぁ」 そんな星の反応に満足感を覚えつつ、俺が胸の飾りに唇を寄せると、星は小さく喘ぎ、そして俺の髪を掴む手に力を込める。 「…お前、ホント可愛い」 消えない羞恥を感じて、乱れてしまう姿。 自分じゃ、到底可愛いと思えないだろうし、そんなことより初めての感覚に戸惑いながら身を震わせるのが精一杯なんだろうけれど。 ちゃんと俺を感じている表情を目に入れ、優しさを含んだ笑顔で囁いてやれば、星のモノから蜜が溢れ出す。けれど、星はTシャツをぐっと噛んで、イヤイヤと首を振った。 身体を重ねる経験とは、無縁だった男の子に。 キスを教えて、その先の快楽を与える俺は変態以外の何者でもないだろう。 しかし、ここまできて手を止めてやる方が星にとっては苦しいものになる。同じ男だから、先を知っているから……だからこそ、俺の手で果ててほしいと願ってしまうのだ。 俺の左手に包まれた星のモノは質量を増し、溢れ出す先走りはくちゅっと湿った音を響かせる。 「やぁ…あっ、ん」 星の小さな喘ぎと零れ落ちる吐息、濡れてゆく俺の指先は星の限界を感じているから。 「しらぁ…ぃ、あ…もぅ」 扱いている手に少しだけ力を入れてやると、星は堪らず噛んでいたシャツから口を離して可愛い鳴き声を聴かせてくれたけれども。 「悪ぃーな、お前の身体に我慢を教えるつもりはねぇーんだよ」 迫り来る射精感、他人に触れられ初めてソレを感じる星には、心地いい快楽の波に呑まれてほしい。 今、この瞬間。 その感覚を味合わせてやれるのは、俺だけだから。 「やぁ、ッ…ああぁっ!!」 僅かに浮いた腰と、飛んだ白濁。 それを俺は手で受け止めると、星にそっとキスをした。

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