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第7話

 葵が目を覚ますと、病院のベッドの上だった。  心配そうに見詰める竜に「怪我してない? 大丈夫?」と訊ねるが辛そうに顔を歪めるだけだった。  見れば病室の隅に雪路が立っていた。常に不機嫌顔の彼には珍しく表情をなくし青白い顔で葵を見ている。  二人の態度とそして何より身体にポッカリと穴が空いた様な喪失感から何が起こったのか分かった。 「赤ちゃん。駄目だったんだね」  訊ねると何故か竜がごめんと謝った。  ――竜ちゃんが謝る事なんかないのに……。  親が見合い話を持ってくるようになり、焦った葵が雪路と番いたい一心でずるをして貰った子なのだ。  元々葵が貰っていいものではなかった。  だから元に戻っただけなのだと――。 「そっか。残念だったな」  ボロボロと涙を流し、力なく笑った。

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