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淫らで可愛い俺の兄貴

俺は兄貴が好きで好きで。 兄貴にしか欲情しない。 気づいたのは、俺がまだ、小学5年生だったか6年生だったか。 実の兄貴が好き。狂いそうなくらい。 マジでどうしようもなく、ヤバいくらい好きだなんて。 異常だって、嫌っていうほど知ってる。止められるなら、とっくに止めてる。 だけど、兄貴への好きは止まらなかった。 それどころか、年々歪に膨らんでいった。 脳内で兄貴を犯しだしてから数年後の夏、俺は妄想を実行に移し、現在(いま)に至る。 * 「……ッ、はぁっ、ア……ン、リッ。まっ……待て、ってば……っ!ンッ、あっ、あっ、アッ、ああッ……!」 俺は兄貴の体を揺さぶりながら、ガンガン攻めたてる。 パンパンッと肌のぶつかりあう音。 グチュグチュと濡れた水音は、丹念に塗り込めたローションだけじゃないはずだ。 もう2回は兄貴のナカに出している。 浅黒い俺のペニスに、ねっとりとまとわりつく白いモノ。 「待てないね。俺を『待てのできないワンコ』って言ったのは兄貴だろ?俺の精液が、兄貴の体液になるまで()り続けてやるよ」 兄貴のナカは熱くて。 ねっとりと絡みつく熱は淫らで。 脳ミソが蕩けそうになるほど。 気持ちイイ……。 腰が止まらなくなる。 もっと深く。強く穿って。兄貴をもっと貪欲に味わい尽くしたい。 喰らい尽くしたい!! 凶暴な衝動。 「あ、んぁっ、もッ……ム、リッ、ヤダッ、ゃあああ……っ」 「イきそうなんだろ?我慢せずにイっちまえよ」 「もっ……出な……っ。勘弁、して……ッ」 「じゃあ、コッチだけでイけばいいだろ?」 兄貴との結合部に指を這わせる。 「やっ、あっ、やだぁ……な、なん……かっ、クる……!あ、あああ――!」 兄貴の体が面白いくらいビクビク跳ねて。 アナルがきゅうっと引き絞るように締まる。 締めつけは断続的で。 兄貴がイくのを、俺は自分のペニスで感じて興奮する。 ちょっと油断すれば、ほら簡単に持ってイかれる。 俺は絶妙な締めつけに逆らわず、精液を兄貴のなかに放った。 兄貴もイッてるけど、兄貴のペニスはもう白濁を噴き上げない。先っぽから涎を垂らしてビクビクと震えるだけだ。 淫らで可愛い兄貴のモノ。 完全にドライでイッてる。 兄貴ももう3回くらいイッたんだっけ? 兄貴の腹も俺の腹も、兄貴の出した精液でべっとり汚れている。 「雌イキしたの?……大樹(たいじゅ)、最高に可愛い」 唾液でヌメる唇にキスしたけど、気を失った兄貴から答えは返って来なかった。 知らずため息をつく。 俺はまだまだイケそうなんだけど。 しょうがない。 俺は兄貴のアナルから、ズルリとペニスを引き抜くいた。 すぐに閉じることができず、ぽっかりと開いた真っ赤な口。 綺麗な色をして。 兄貴のナカが奥まで丸見えだった。 そこへゴポッと白濁が浮かび上がってくる。 トロリと溢れてくるたっぷり注いだ俺の精液。 指を奥まで突っ込んで掻き出すと、さらに大量に零れ落ちた。 体がカッと熱くなる。 えもいわれぬ高揚感。恍惚感。 俺の渇望が、熱く満たされるのを感じる。 俺は自分の唇が、満足そうに笑んでいるのを知らなかった。 本当に――。 叶うなら、この部屋に監禁して、犯して、犯し尽くして、壊して、俺だけの兄貴にしたい。 永遠に。 歪んでいようが狂っていようが構わない。 何度思い描いたかもしれない。甘美で麗しい蜜のような毒夢を。 兄貴を俺の中に閉じ込めて。二人して永遠にひとつになれるなら……。 俺は、ずっと兄貴だけを追って。 兄貴だけに執着して。 兄貴だけを、求めて。 ああ、大樹(たいじゅ)。 本当に愛している――。 そして、俺がどんなに禍々しく汚しても、やっぱり兄貴は透明度を保つように、綺麗なままだった。 * 兄貴を初めて抱いたあの夏の日から、ちょうど一年が経とうとしていた。 俺は兄貴と同じ大学を受験して合格し、卒業してすぐに兄貴が暮らすアパートに押し掛けた。 兄貴と離れて暮らす一年間は、長く辛かったし、気が気じゃなかった。 兄貴は俺と違って元々ノンケだ。 去年好きになったサークルの女の子は、告白する前に諦めたらしい。 俺が潰した。 兄貴を無理やり犯して。 けど、またいつヘンな虫がつかないとも限らない。 兄貴と一緒に暮らしはじめてから4ヶ月あまり。俺はほぼ毎日のように兄貴を抱いていた。 離れていた時間を埋めるように。 兄貴は時に抵抗し、ウザがりながらも俺の好きにさせていた。 兄貴はベッドに寝転がり、漫画を読んでいる。 ただそれだけなのにムラムラと興奮する。 俺の中を熱い衝動が一直線に貫く。 昨日もセックスしたのに、まだ満足できない。 それに今日は忘れられない特別な日で――。 ギシッとスプリングを軋ませてベッドに上がる。 俺は寝転んで、ピタッと兄貴に体を寄せた。 「おい、くっつくな。暑い」 ベッドはシングルで、男二人が寝るには狭い。 本当に俺を拒みたいなら、堂々とベッドの真ん中に陣取ればいいのに。俺は普段、床に布団を敷いて寝るんだし。 でも、兄貴は壁にくっつくように隅っこで寝る。 いつも俺がギリギリ横になれるくらいのスペースが空いている。 当然、兄貴は誘ってるわけじゃない。 いつも空いている俺のためのスペース。 それがどんなに嬉しいか、きっと兄貴は知らない。 俺は兄貴の漫画を取り上げる。 「あ、ちょっと、何するんだよ」 床に置いた漫画を兄貴が取り返そうとする。 その手首をつかんで押し留める。 「何って?エッチに決まってんだろ?」 「そういう意味じゃない!昨日も散々好き放題しやがって」 「さあ?夏だからな。暑いから余計にムラムラするんだよ。知ってる?人間の発情期って夏らしいぜ」 「お前は万年発情期だろ。今日は絶対にしないからな!」 「するよ。今日は特別な日だから」 一年前の今日と同じ日。 初めて兄貴を抱いた。 一線を越えた。 兄貴とのセックスはいつも興奮するけど、あの日の興奮は格別で、きっと死ぬまで忘れられない。 兄貴も気づいたらしい。 特別な日が何のことか。 目尻が赤くなっている。 「勝手にしろよ!」 眉根を寄せて吐き捨てるように言うその顔が、またたまらなく可愛かった。 * 俺は兄貴をベッドの縁に座らせ、ペニスをしゃぶっていた。 絶頂が近いのか、ピクピクと震えている。 寸止めにしながら、俺はわざと顔をあげた。 「兄貴のココは(オトコ)になることを知らないんだよね?」 ずっと童貞のまま。 俺の言う意味がわかったらしい。 兄貴がかあっと赤くなる。 「だってお前が……!」 「そうだよね。オトコもオンナも知らないウチに俺が奪ったからね。兄貴のバックバージン」 屈辱に歪む兄貴の顔。 どんな顔も俺の欲望を煽る材料にしかならない。 「俺で試してみる?俺、兄貴相手なら掘られても構わないけど?俺で童貞捨てる?」 「なっ……なんてこと言うんだ。お前は……!」 兄貴はこれ以上赤くなれないんじゃないかっていうくらい、真っ赤になっている。 俺はネコじゃない。タチだ。 でも、兄貴にならケツを許してもいい。兄貴がオンナを抱くことを考えれば、充分譲歩の対象になる。 「本気で童貞捨てたいなら、いいよ」 兄貴が顔を真っ赤にしながら、逡巡しているのがわかる。 迷ってる迷ってる。 くるくる回る表情が可愛い。 兄貴になら抱かれてもいい。それは本音だけど、可愛い兄貴を目にしていたら……。 「嘘。やっぱり俺が喰いたい」 「えっ?」 兄貴のペニスにまたしゃぶりついて。 「あっ、ああッ……」 瞬く間にイかせる。 色の薄い精液を吐き出す鈴口。 パクパクと淫らに喘ぐそれを見ていたら……。 俺はあることを思いついて、サイドテーブルの引き出しからあるモノを取り出す。 ベビー用の細い綿棒。 イッたばかりの兄貴はまだ気づいていない。 一本だけつまみ出す。ローションに浸して。 「ねぇ、兄貴。この孔も、俺に頂戴……」 鈴口に綿棒の丸みを押し当てる。 「なっ……!」 気づいた兄貴の顔色が変わる。 「やっ、嫌だ!杏璃!!」 「兄貴のこと全部欲しい。暴れないで。危ないから」 「あっ、あ……」 俺の手を押し留め、嫌々をするように兄貴は首を横に振るけど。 先端の割れ目を指先で押し開いて、小さな口に綿棒の先をゆっくりと沈ませる。 「あ、あああぁぁ……!!」 兄貴が今日一番の絶叫をあげる。 傷つけないように慎重に。兄貴のペニスを手で固定しながら、さらに奥へと。 狭い尿道を綿棒で犯す。 「……痛ッ……痛い、あ、杏璃、も……やめ……て……あ、あッ……」 兄貴のキツく瞑った目の端から涙が流れる。 どんな兄貴の顔も、俺を煽る道具にしかならない。 「力抜いて、兄貴。あと少しで……全部(はい)るよ……」 「あっ、うっ、うう……っ」 泣いても止めてあげられない。 「ほら、挿った……」 一度は萎えたのに、兄貴のペニスは勃起していた。 痛みすら興奮の材料にしかならないのか。 被虐心が兄貴を駆り立てるのか。 いずれにしても、兄貴の体を変えたのは俺だ。 「兄貴、見て……」 「あっ……」 兄貴は直視できずに顔を背ける。 俺はゆっくりと綿棒を引き出す。 「イッ、う、動かすな……!」 「尿道も粘膜だから、そのウチここでも感じちゃったりして?」 ギリギリまで引き出して、またズブズブと埋め込んでいく。 「あ、ああッ……ア、ンリッ。お願……い、もう、やめて……」 兄貴が泣きながら懇願する。 泣き顔も煽ってるようにしか感じないけど。 「じゃあ、今日はこれくらいにしてあげる」 「ア、アッ……!」 綿棒を抜いた途端に、兄貴が少しだけ失禁する。 ペニスを両手で抑え、屈辱に顔を歪ませながらすすり泣く。 本当に。 可愛くて目眩がしそうだ。 凶暴に獰猛に、喰らい尽くしたい!! * 「それ、ヤダッ。杏璃……ぃやあ……っ」 兄貴のアナルは昨日と違って、また慎ましく閉じていた。まだ赤く腫れてはいたけれど。 そこに念入りに舌を這わす。何度も。 「嫌がるくせに、感じるよね?」 唾液にぬらぬらと光るソコが、ヒクヒクと震える。 舌で指で慈しむ。 時間をかけて愛撫する。 俺を受け入れる入口を。 支配欲と独占欲。 歪んでる。 自覚はあるのに止められない。 上等だ。 もう考えるのも悩むのもやめた。 兄貴を喰らいつくしたい。 ただ、それだけ……! 俺をすべて受け入れる。 体だけじゃなく心も傷もすべてを包みこむように。 そんな兄貴の優しさすらも、粉々に壊して奪いたくなるんだ。 「ああぁ……ッ」 慎ましく閉じた蕾を破壊するように、ググッとペニスを押し込む。 決して傷つけたいわけじゃないから。 ゆっくりと慎重に。 逸る欲望を抑えて。 兄貴のナカに挿入(はい)る。自身の肉棒で兄貴を味わうこの感触がたまらない。 兄貴の熱に包まれて、繋がって、脳髄まで痺れて融けそうになる。 俺の下で喘ぐ兄貴は、淫らで扇情的で最高に可愛い。 「あッ、ンリ……アン、リ……ッ」 上擦った声で名前を呼ばれるだけで堪らなくなる。 切なく狂わしいほどに込み上げてくる想い。 征服したい。 兄貴のすべてを。 奪い尽くしたい。 そう思うのは兄貴だけだ。 他の誰でもいいわけじゃない。 昔から兄貴のことが好きだった。 好きすぎて、馬鹿になるくらい。 ホント兄貴しか見えない。 「兄貴のナカ、熱い」 この肛内(ナカ)を俺のモノでいっぱいにしたい。精液を浴びせまくってグチャグチャに汚したい。 俺の凶器で深く奥まで穿って。 兄貴を思う世界は。 苦しくて切なくて。最高だ。 倒錯的であろうが、身勝手であろうが。 同じ血を持つ者同士のセックスは、これ以上ないほどの魅惑的な快感で。 「ああぁッ……」 兄貴がイく瞬間を、俺の全身で味わう。 本当に堪らない。 このまま抱き潰したい。 壊したい。 俺だけのものにしたい。 俺も兄貴のナカに欲望を吐きつくす。 兄貴が俺の背中に回した腕で、俺をそっと抱き締めてくる。 兄貴の方から俺の唇に唇を寄せ、キスをねだる。 同じ血を持つ者同士が交わる。血を分けあった兄弟で体を繋ぐ背徳と禁忌。 心の拠りどころがないのか、兄貴は時々こんな風に俺を求めてくる。 心地イイ。気持ちイイ。 愛しくてたまらない兄貴の体温。その温もり。 すべてを享受するような。 俺が兄貴を抱いているのに、どこかで俺の方が兄貴に抱かれているようなこの安らぎは――。 俺の罪も。 何もかもすべてを受け入れ、優しく包みこんで。 静かに赦すように。 兄貴はすごい。 そして強い。 だから奪えない。壊せない。 兄貴の時間を永遠に射止めることはできない。 なぜなら、俺の幸福も終わってしまうから。 これ以上ないくらいに満たされた幸福が終わってしまうから。 兄貴の肌に雫が落ちた。 「杏璃……泣いてるのか?」 え?泣いてる? 自覚はなかった。 心配そうな兄貴の顔。 指先で俺の涙を優しく拭う。 こんな時でも兄貴なんだよな。 年は一つしか違わないのに。 「お前が泣くと、俺も胸が痛くなる」 「……嬉しいんだよ」 兄貴がふんわりと笑った。 俺にはその微笑みが尊く眩しかった。 兄貴が居てくれるから。 暗い世界で生きていける。 愛しくてたまらない存在があるから。 世界は光に彩られる。 「愛してるよ、兄貴。誓って言える。……これだけは、誰が何と言おうと本当なんだ」 残酷に束縛しても。 「うん。知ってる。わかるから、酷いコトされても受け入れられる。じゃなきゃ、怖くてとても付き合えない」 「ありがとう……兄貴」 言い様のない感謝の気持ちが溢れてくる。 もう一度、愛しい唇に唇を重ねる。 俺たちはまだ深い所で繋がったまま。 長い長いキスを繰り返した。 ――――

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