「ただいまぁ………」 漸く部屋に帰ってきた和希は心底疲れていた。 あの後バニーガールの衣装と化粧を施された和希は西園寺の無言の連射撮影と彬のメイクと衣装チェンジを何度も受けた。 彬が鏡を隠してしまっていて、自分で自分の姿を確認できない和希はただただ不安しかなかった。 西園寺の言うイベントを手伝うのはかまわない、ただ女装するとは… 自分が女装してそんな格好で人前に出ても果たして大丈夫なのか… 壮史！ そう言えば壮史は西園寺から送られた女装姿の和希の写メを持っているはずだ！ リビングへのドアを勢いよく開け入ってきた和希に壮史が驚いた顔でおかえりと言った。 そこで和希ははたと思い直してがっくりと肩を落として寝室に入る。 バカか… なんて言って写メを見せてもらうんだ。 西園寺が絡んでいるとわかると、勘のいい壮史だ、 女装が和希だと気付いてしまうかもしれない。 それだけは避けなければ…！