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第1話

チャイムの音で目が覚めた。 目はまだぼやけたままだし、意識も完全にハッキリしたわけではない。瞼が重く、段々とその重さに視界がゆっくりと細くなるのが感じられた。 だがしつこくも、一定の間隔で押され続けるチャイムに俺は根負けした。 「はいはい、しつこいですよっと」 今は午前なのか午後なのか。ふらつきながらなんとかインターホンにまで到達した。 途中バルコニー側の窓から空色一面の光が通路まで伸びていて、ここで今は午前中か正午くらいではなかろうかということがわかった。 荷物か?それとも何かの勧誘か?勧誘だったら追っ払ってやる。 まずはインターホンっと。 「はい」 「郵便ですが、佐野様宛てにお荷物が届いています」 俺を眠りから起こしてくれやがったのは郵便やさんだった。 「あーはいはい、ちょっと待ってください。」 部屋の角に置いてある鏡に自分が写り込み、我ながら溜め息が出た。 寝起きなのでカッコ悪いパジャマ姿、ボサボサの髪の毛。 ・・・まあ良いや、どうせいつものおじさんだろう。 と思いつつドアを開けたら、そこには長身の若い男が立っていた。 「わっわっ。」 てっきりいつもの人だと思っていたので、思わず判子を落としそうになり、慌てた。 そんな俺に動じず、相手は慣れているのか、とびきりの営業スマイルで 「そんなに慌てなくても、大丈夫ですよ」 「はっ、はい。すみません ・・・あ、あのっ担当変わりましたね? 「あぁ、はい。前任者の田中はちょっと行方を眩ましてしまいまして。急遽となり町担当の私が運ぶことになったんです」 しかし、格好いい男だ。 老眼鏡のような小さなフチの眼鏡を少しずりさげたようにかけていてなんか知的だ。それに俺なんかとは比べるまでもなくイケメンの部類。さぞかしリアルは充実しているであろうことは容易に想像できた。 「あの・・・、何か?」 「いっ、いえ、ちょっと待ってください」 慌ててキッチンに行くと、冷蔵庫から缶コーヒーを取り出し、判子を押して荷物を受けとると変わりに缶コーヒーを手渡した。 「あのっ、これ良かったらどうぞ、お仕事お疲れさまです」 「良いんですか?!すいません。それでは私はこれで、また、宜しくお願いします」 と爽やかに笑顔で去って行った。 なにかこう、爽やかな風が鼻筋を通りすぎたようなスッキリとした気持ちになった。

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