3 / 9
第2話
しばらく勘を頼りに歩き、森の外へと無事に出る事ができた
葵「たぶん僕の知ってる場所じゃないなぁ…」
目の前には広い道が広がり、後は何もない
葵「とにかく右に行ってみよ」
呟き、勘で右に向かって歩きだす
しばらく歩いていると少し遠くに門のようなものが視界に入り、少しはや歩きで門に向かう
門番「ようこそ世界の中心の国、セントラル王国へ」
門にたどり着くと門番が笑顔で声をかけてくる
門番「身分証の提示をお願いします」
笑顔のまま門番は葵に言う
葵「すみません…実は身分証はなくて…気がついたら森の中にいて、自分の名前しか思い出せなくて…とにかく歩いて来たらここの門が見えたので…」
少し泣きそうな顔と声で素直に伝える
門番「…なるほど…うん…嘘はついてないね」
真面目な顔で門番は葵をじっと見つめた後頷きながら言う
葵「わかるんですか?」
すんなりと受け入れた門番に驚きながらも言う
門番「私は相手の嘘を見抜く魔法が使えるんだよ。君は嘘をついてない」
再び優しい笑顔で門番はそう言った
門番「少し待っててもらえるかい」
葵「分かりました」
素直に頷き、中に入る門番を見送る
門番「待たせたね。これは仮の身分証だよ。門を入って少し真っ直ぐ歩くと赤い煉瓦の建物がある。《王国の翼》っていうギルドだよ。そこで身分証を作るといいよ」
優しい声で門番は葵に言う
門番「仮の身分証は受付に渡してくれたらいいから」
葵「ありがとうございます。本当にありがとうございます」
優しい対応に泣きそうになりながらも頭を下げてお礼を言う
門番「困った時はお互い様って言うだろう?そんなに頭を下げなくていいよ。さぁ通って」
門番は門を手で押さえながら葵が通れるように横へとずれてくれる
葵「今度お礼をさせてください!本当にありがとうございます」
再び頭を下げ、門をくぐりセントラル王国へと足を踏み入れた
ともだちにシェアしよう!