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紫君子蘭-Agapanthus-.1
「っ、ねえ、きみ!」
ザアアアア…
すごく、あめが降っている
「ねえ!」
「……なんだ」
立ち止まった彼は、とても寂しい顔をしていた。
とても、綺麗だった。
「用がないのなら、オレはもう行く。」
「…待って。風邪を引いてしまう。」
「あんたには、関係ないだろ。」
「冷えてしまう。うちに、寄っていかないか?」
ふと、目が合った。
彼は俺の顔を見て何を思ったのか、こちらに歩いてきた。
俺より少し背が低く、少し筋肉質な身体つき
俺はタオルと着替えをもって、風呂へ彼をつれていった。
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