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おはよう

U視点 チュンチュンと鳥のさえずりが聞こえた、朝日に起こされる朝はいつぶりか 俺のベッドはこんなに包み込むような柔らかさでもないし、第一下着1枚といつも身につけているシルバーのチョーカーを着けて寝るはずがない グルグルと記憶を逆再生する 今は誰とも契約しておらず野良生活だった、ある人を始末しろと依頼を受けた。人を殺す額にしては少なすぎたが、ターゲットに興味を持ちなんならそっちに付いてもいいのでは無いだろうかと閃いた 計画はまあまあ成功と言ったところだが安心は出来なかった。思い出そうとすると頭が痛くなる、これは無理やり眠らされたせいだろう 「おはよ」 「……」 「なんや、挨拶はしっかりせなアカンよ」 (声聞きたいんやけどなぁ、怖がらせてしもたかな) 「うるせえ」 「お!やっと声聞けたわ、おはようさん」 相手の声についつい反応してしまう、表情と気持ちがあっていない。怖い顔をしていても心配されている。俺を心配する人間なんて片手で数えるくらいしかいなかった、だからこの仕事を選んだのだ 今更向けられる愛情に心底溜息をついた 計画は成功ではなかった、これは完全なる失敗 「話しかけんな」 無駄な努力なのはわかっているが少しでも嫌われるようにとそっぽを向く。どうか俺を捨ててくれと願いながら ズキズキする頭の痛みに耐えながら近づく相手から離れようと体を動かした 「逃げんといて」 「嫌だ」 「ええ声やねぇ」 ダメだ、コイツ話が通じねえ スっと伸ばされた手を振り払うがそれも想定内らしく表情はピクリとも動かなかった。無音になった心の声に俺が動揺し相手の顔を見てしまう。真っ赤に燃え盛る炎のような心情が具現化され全身焼き尽くされるかと身構える 抵抗できずにそのままベッドに倒され相手は馬乗りになった 「契約しようや、な?」 低い声で囁くように言いながら指が肩にくい込み痛みが増していく、さっきのお前は誰だと問いただしたくなる程だ 俺に拒否権は無かった 「…わかったから、離せ」 一言でまたさっきの雰囲気に戻った。心の色は変わらないものの性格は真逆のような印象だった 二重人格では無い様だが今の俺には悪い影響しかないから条件を付けた 「好きって言ったら契約破棄だ」 「うーちゃんそれは酷いって!」 「なんだその呼び方」 「うーちゃん可愛ええやろ?そっちが余計な条件付けるなら僕もええねん」 (我ながらめっちゃええやん、かわええ) あぁ、もうコイツは死んでもこのままだろなと察した 好きと言わないなら何してもいいと言われ、ハイハイと軽く返事をした事を後悔するとはこの時は考えてもいなかった

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