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智之「……お義兄さん、お名前は?」
取り合えず名前を聞こうと恐る恐る尋ねる智之。寛也の風貌を見てヤクザだと思う。派手なシャツを着ていて猛獣のようなオーラが出ている。
寛也「お義兄さんじゃない、寛也だ、よろしくな」
握手を求めながら智之のことを上から下まで見る寛也。
智之「ああ……、寛也さん?」
握手を交わしながら『この人、いま絶対に僕のこと背低いと思っただろう?』という智之の心の声。
〇我関せずといった天子の横に二人の吹き出しが連なる大きなコマ
寛也「良いじゃないか、その呼び方」
智之「呼び方? 何故ですか?」
寛也「嫁っぽい」
智之「嫁!?」
智之「いや、僕は夫の方なんで」
寛也「俺はお前の名前を知らないから逆は出来ない」
智之「あ、え!? えっと、僕の名前――」
寛也「いらないから心配するな」
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