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〇ホテルの最上階、廊下(同日・夜)
智之の肩を抱いたまま歩く寛也、古市に電話する。
寛也「俺だ。古市、牧田は今日はもう休ませるからシフト調整の件、ルームサービス係に連絡しといてくれ。社長命令でな。ああ、頼んだぞ?」
電話をしている寛也を見上げる智之。
寛也が電話を切ったのを見て
智之「僕、大丈夫です」
傷心した様子で言う。智之自身は自分がどんな顔をしているか気が付いていない。
寛也「ダメだ」
智之は寛也から離れようとするが、ギュッと肩を抱いたまま寛也は最上階の部屋の扉をマスターキーで開ける。
パッと電気が点き、とても広いスイートルームが目の前に広がる。
一瞬、智之の動きが止まる。
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