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〇最上階・スイートルーム(夜)
涙目でサングラスを掛けたままの寛也の顔を見つめる智之。
寛也「それからは、まずお前の先輩を脅して」
爽やかに言う寛也。
〇(回想)ホテルヴィガート(東京店)ロッカー室にて(五年前・夜)
寛也「牧田を虐めたらクビだぞ? 辞めても他の人材を別のホテルから引き抜くから問題ないんだがな」
智之の先輩(男・三十代)をロッカー室の角で脅す寛也。
魔王のようなオーラに怯える先輩。(回想終わり)
〇最上階・スイートルーム(夜)
真顔になる智之。
寛也「シフトも早朝と深夜は無くすようにして」
良い考えだろう? という雰囲気で寛也が言う。
〇(回想)ルームサービス係、事務所(朝)
ルームサービス係の一番偉い人間(男)に耳打ちする寛也。(回想終わり)
〇最上階・スイートルーム(夜)
眉間に皺が寄り始める智之。
寛也「ロッカーに菓子パン入れたりとか」
明るく笑いながら言う寛也。
〇(回想)ロッカー室(夕方)
智之のロッカーにおやつや菓子パンを置く寛也の姿。ニヤリと笑っている。(回想終わり)
〇最上階・スイートルーム(夜)
智之の心の声「ずっと仲の良い掃除のおばちゃんだと思ってた! だから、鍵開けておいたのに!」
智之の眉間に深い皺。
〇(回想)地下のボイラー室にて(掃除用具置き場)(夜)
智之「斎藤さん、いつもパンとかありがとうございます」
掃除機を片す清掃員・斎藤に対して礼を言う智之。
斎藤「いいのよー、気にしないでー」
にこにこと笑う斎藤。
智之から見えないところで寛也が斎藤に対してグーサインを出している。(回想終わり)
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