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第9話
「…眞…司…?…ど…して…?」
兄貴の身体にしがみつき、必死で止めている俺に初めて気付いたのか、優紀が俺の名前を呟く。
「…止めるな、眞司」
兄貴の冷たい声を聞いて、俺の身体は兄貴から飛び退く。
「玩具の分際で、僕の許可なく粗相をするなんて…」
「…優紀は…兄貴の玩具じゃない…」
………恐い………。
足が震える…。
俺は必死の思いで喉から声を振り絞る。
だが、俺の声は震えて細い。
兄貴を前にすると、昔の事を思い出し…どうしても足が竦む。
「優紀は俺の玩具だよ。それを今、お前に証明してやる。おい、下ろせ」
兄貴の指示に、天井からロープで吊るされていた優紀はベッドの上に下ろされた。
両手首に残った紫色のロープ跡が痛々しい。
「…優紀、手で膝を持ち上げて足を開け」
兄貴の冷たい声に、優紀はベッドの上、ノロノロと両手で膝裏を持ち上げ、足を開く。
先刻までバイブを二本、入れられていた優紀のアヌスはパックリと口を開き、中の赤い襞まで見えて…。
そんな優紀のアヌスに兄貴は躊躇う事なく、足の親指を入れる。
その途端。
待ち構えていたように優紀のアヌスは親指を受け入れ、膝裏を抱え足を拡げた不自然な…苦しそうな格好で腰を揺する。
兄貴は足を動かさない。
優紀だけが、腰を動かしている。
「…ん…っ…あ…っ…んん…っ」
優紀はそれだけで感じているのか…頭を軽く仰け反らせ、目を閉じて口を半開きにして…信じられない事に…ぺニスまで勃起している。
それは―凄く、エロい光景で…。
自然と、俺は唾を飲み込んだ。
だが、優紀が勃起している事に気付いた兄貴は、すぐに足を優紀のアヌスから引き抜く。
兄貴の足の指を失った優紀のアヌスは、ヒクヒクと空しくヒクついて…。
それもまた、エロく…俺の目は優紀から放れない。
だが。
優紀の姿に目を釘付けにしていたのは俺だけじゃないらしく…。
「…優希、罰としてコイツらに可愛がってもらえ」
兄貴がそう言い終わらない内に、全裸になった男性二人は舌舐めずりをしながら優紀に近付く。
「…止め……っ!!」
「おっと。眞司はそこで優紀が罰を受けている姿を黙って見ていろ。それがお前の罰だ…この僕がそれだけで許してやるんだからな。優紀に感謝しろ」
………え………?
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