引っ張り出された乳首は解放され、今度は尻の肉を揉みしだかれる。指が食い込むほど力強く、もっと奥へ入れろとばかりに左右に割開かれる。 「あ、ああっ、はげし、や、も、むり……」 「んっだめ、もうちょい。ね？　キスして、あげるから」 　両腕を伸ばし抱っこを強請る子供のように円加の首に巻き付けた。隅から隅まで舐め回され、舌を絡めて甘噛みされる。愚図る子供を宥めるようなキス。 　円加の甘ったるい声が鼓膜を揺らす。奥深くまで抉って、それでも足りないと腰を回してナカを堪能している。 　俺のは破裂寸前に膨れ上がって、たらたらと漏れるように出た液体があちこちに飛び散って体を濡らしている。 　ちっとも触ってないのに、今にも出そうだ。 　初めてなのにこんな風になるなんて……、自分が淫乱だなんて知らなかった。 「んっ、葉。おいで」 　巻き付けた腕をそのままに、円加が体を起こす。跨る形になってさらに奥を抉られた。目の前に星が浮かぶ。脳みそだけでなく、全身が溶けてしまいそうだ。 「やあっ、ああっも、ふかい、あっ」 「んー、きもちいね。はっ、んちゅ、かわい」 「なっ、もうむり……あっ、やだぁ、イく、円加……」 「ん、いいよ、いっしょにイこ……はあっ、かわい。乳首触ってあげる、んっ、んちゅ」 「ああっ、いっ、ひぃっ、んっ。やっ、ああーーっ！」 ────ばちゅ、ばちゅんっ、ぐっずっずっ……ずぐずぐっ 　ガツガツと思い切り奥を突かれ、きゅうっとナカが収縮した。円加のかたちを感じて押し出されるようにして一足先に俺の性器が熱を吐き出した。お互いの腹にべったりとかかったことなんて気にならない。 　そんなことよりも、俺がイってる最中も、イってガクガクと揺れている最中も円加の腰は止まってくれない。 　コンドーム越しに熱い精液を感じたら、またぐずりと腰が疼いた。 　最後の最後まで出し切ろうとゆるゆると腰を動かされ、それにまた感じてしまう自分が浅ましい。 「はあっ。な、もう抜けって……んっ、あっ触るな」 「だめ、一回で終わる訳ないじゃん。 　ゴム変えてまたしよう？　今度は葉のこれも扱きながらしよっか。それとも乳首抓りながらがいい？ 　んっ、はあーきもちい。どうする？」 　めちゃくちゃ気持ち良かった、と噛み締めるようにぎゅうっと抱きしめられる。涙とよだれでぐちゃぐちゃになった顔を見られなくてよかったと思うのに、そうしてる間もむくむくと腹の中の円加は大きく固くなっていく。 　汗と俺の吐き出した精液でべたべたなのに、密着していたい。無意識のうちにすりすりと頬を寄せる。 　もっかい、しよ？　と、首を傾げた円加に、熱くて堪らないのに体全体で円加を感じたせいで、思考がゆるくなっていた俺には無言で頷くのが精いっぱいだった。 「……あっああんっ」 　されっぱなしは気に入らないと、円加をベッドに押し倒した。円加に跨ってマウントを取っただけで、気分は高揚する。ベッドのスプリングを使って、下手くそながらに腰を振る。上から見下ろすのも悪くない。にやりと笑うと、円加がぺろりと唇を舐めて同じように笑った。両腕が俺の胸元に伸びる。 「ほら、乳首は俺が苛めてあげる。んっ、だから葉は腰振って。ほら、ほら……サボってないで」 「あっおいっ、んんっ！　あっ、やめ、できないだろっ」 「ふっ、あー、ほら、頑張って」 「ああっ、ん、強い、つよっ取れちゃ、あっんっ」 　思いっきり乳首を抓っておいて取れない取れないと不敵に笑う。それに感じてる俺も俺だけど、それよりも円加も突き上げてくるもんだから、バランスを崩すのはあっという間だった。 　咄嗟にベッドに手をついた。円加も抱きとめるように腕を伸ばしてくれ、ふうとお互いが小さく安堵する。 　しがみつくように円加と重なりあって、ようやっと乳首は解放された。 　それなのに、今度はお互いの体で挟まれた俺の性器が下からの突き上げで刺激される。 　互いの割れた腹筋に擦れて、ぬちぬちと音を立てる。奥を突かれるのとは違う直接的な刺激に、二回目だというのに絶頂がすぐ近くまで来てることを悟った。 「自分で擦りつけちゃって、葉やらしい。ふっ、んっ」 「ちが、あっやだ、きもち……んっ、円加！　あっ」 「んっ、俺もきもちいよ。はあっ、イく、出る……」 「俺も、あっああ、ああっ出るぅ……」 　腹の間で震えながら、びゅくびゅくと性器が熱を吐き出した。息が整うのも待てずにどちらともなく唇を重ねる。 　酸素を奪い合うようなキスなのに、くすくすと笑いが漏れるのは幸せだからに違いない。 「葉、すきだよ。ん、んちゅ、れろっ」 「んぁっ、おれも、すきだっ。円加、すき、んっああっ、ん」 　さすがにもう無理だと円加の体から降りてそのままベッドへと倒れ込む。小さくなった円加が抜け出る瞬間、きゅうっと締め付けてしまったのは不可抗力だ。決して寂しいからなんかじゃない。 「痛くなかった？」 　額にくっついた前髪を払いながら、円加が心配そうに聞いて来る。あれだけがっついておいてよく言うよ。 　円加の首元に擦りついて顔を隠す。ついさっきのことなのに思い出すだけで恥ずかしくて死にそうになる。 　それでも何か言わなければととろけた頭を回転させる。 「痛かったら二回もしてない。その……よかった」 「よかった」 　円加が姿勢を変え、俺を抱き込むように腕を伸ばした。 　俺は素直にその中に納まって幸せを噛み締めた。 おわり