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【商業BL『魔性のαとナマイキΩ』本日完結。最終話配信日です。お礼SS】

 寝室から香る甘い香りがして、生唾を飲み込む。  この日をどれだけ待ったか……  前回は海外ロケが入ってしまい、一番寂しい時に一緒にいてあげられなかった。  調整に調整を重ね、勝ち取ったニ連休。  ドキドキしながら、ドアノブを掴む。 「ただいま」 「零士」  勢いよく抱きつかれ、口元が緩む。  よく見たら俺のシャツを着ているし、ベッドには俺の服が散乱している。  いつ見ても、巣作りって堪らない…… 「ごめんね。仕事が長引いて」  潤んだ目で見られ、引き寄せられるようにキスをした。  肩に腕が回ってきて、クラクラしながら髪を撫でる。 「寂しかった……」  強がりなレキの滅多に聞けない言葉。 甘えるようにキスを強請られ、相好(そうごう)を崩す。  ──待ちに待った、レキの発情期がきた。  番になっても、未(いま)だに慣れない。  今日の朝、やたら甘える、くっついてくる、発情期の兆候が出ていて、一日中、そわそわしながら仕事をしていた。  すんすんと匂いを嗅がれ、慌てる。 「今日は暑かったから……俺、シャワー行ってくる」  そう説明しても、レキが離してくれない。 「一緒に行く」  普段だったら、喜ぶところだけれど……  発情期に一緒に行くのは危険なんだ。  前、ゴムも付けていないのに、上に乗られて大変だったし……  ゴムを持っていけば……  いや、でも今日はベッドで可愛がりたい。  どうしても発情期の時は、煽られて乱暴にしがち。せっかくの二連休なんだ。今日こそ時間をかけて、優しく……  明日はデートもしたいし…… 「急いで行ってくるから、待ってて」   額にキスして宥めてから、着替えを掴み、寝室を出る。  前回は、積極的にキスしてくれて、『もっと』とか言われて、最高だった……  ニヤけてしまい、口元を引き締める。  その時、クッと服の裾を引っ張られた。振り向くと、つぶらな瞳が目に入る。 「零士」  レキが付いてきてしまった。 「一緒に行きたい」 「俺、汗かいてるから──」 「お願い」 「ぇ……えー」  コテンと首を傾げられ、悶える。  あー。可愛い。負けそう…… 「すぐに戻るから」  体を離し、脱衣場に逃げようとしたら、また抱きつかれてしまった。  これ以上無理だから、やめて。  積極的に迫られて嬉しくないわけがない。でも色々と困るんだ。  前回、浴槽で襲われそうになった事を思い出す。  『好き』って言われたら抵抗できなくて、『外で出せばいいよ』って言われて、本気で悩んだ。  頑張って耐えたけれど。  あの時のレキ、滅茶苦茶可愛いかったなぁ……  あんなの、勝てないんだ。本当に我慢するのが大変だったから……   「……ね、一緒に入ろ」  ベルトを外されたら、もう抗えない。時々、上目遣いで見られて、体温が上がる。あっという間に脱がされて、ズボンが床に落ちた。  黙ったまま棚を開け、ゴムを取り出す。 「なんで脱がしただけで勃ってんだよ」  レキに笑われたけれど、深いキスを迫り、腕の中へ閉じ込めた。 「レキ。好きだよ……」 「……うん」 ✳✳  その日、立てなくなるまで滅茶苦茶にしてしまい、凄く幸せだったけれど、予定していたデートの計画は台無し。自分の理性の弱さを反省しつつ、ベッドの中でも甘えられて、最高の二連休となった。   ーーーーーー  皆さまのお陰で、無事に完結できました。  本日、各電子サイト様で、最終話を更新しています。(68話)  是非、分冊版のSS(零士とレキのウェディングパーティー)もよろしくお願い致します。  (Special Thanks)  

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