32 / 34
30
*暗闇
暗闇の空間、マイケルは暗闇の波の上に浮いていた。
いつからここにいるかはさっぱり覚えていない。時間の感覚がまるで無い。
今が引き潮なのか満ち潮なのかも分からない。上も下も暗闇、右も左も果ての見えない暗闇だ。
マイケル「(きっとここが死の世界なんだろうなぁ)」
このままどこかに流れ着き、そして生まれ変わるのだろうか、そんなことをボンヤリと考えているマイケル。
マイケル「(できればリオのいる世界が良いな)」
何かを決心したかのように目を閉じるマイケル。次に目を開けた時にはどうなっているのか。赤ん坊になっているのだろうか。それとも、虫や草に生まれ変わっているのだろうか。
その時、どこからか声が聴こえてくる。その声はとても聞き覚えのある声。最愛のリオ。彼の声だ。「早く起きろ!マイク!早く会いたいんだ!」
声を聴くと、リオの姿を思い出す。
マイケル「(あの笑顔をもう一度見たかったな。あぁ、僕も会いたいよリオ)」
リオ「じゃあ!早く起きろって言ってるんだ!」
マイケルの眼前が明るく照らされる。
ともだちにシェアしよう!