28 / 34
本編 26
○レンタル彼氏運営会社『Greets spring』事務所
輝一:「呼び出してすまなかったね。」
ソファーに向かい合わせで座っている二人。
貴臣:「いえ…」
輝一:「昨夜の事、春から聞いた。彼奴…泣いてたよ。」
沈痛な面持ちの貴臣。
貴臣:「俺が春に酷い言葉を言ってしまったんです。」
煙草に火をつけ、煙を吐く輝一。
輝一:「軽蔑したか?」
貴臣:「いいえ。」
首を横に降る貴臣。
貴臣:「只…一方的に関係を断ち切ろうとする彼の真意が分からないんです。」
項垂れる貴臣。
思案顔で煙草を灰皿に押し潰す輝一。
輝一:「俺の生い立ちを話して良いかな?君にも関係する事だから…」
貴臣:「…え?…はい。」
輝一の真剣な眼差しを見て、戸惑いつつも承諾する貴臣。
ともだちにシェアしよう!