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綿 「それもムカつく! なんで俺じゃなくてリネがバレてんだっつーの!」
麻 「わ。撮影終わってもリネって呼んでくれるんや? 嬉しー」
無意識だったことにハッとし顔を赤らめる綿。
綿 「うっさい。でも……これでわかっただろ。お前がファンだった神藤綿は幻想だったって」
ぷいっと顔を背ける綿。
麻はきょとんとして
麻 「なに言うてんの? ますますファンになったっていうか……より好きになったけど?」
ゆっくりと麻に向き直り
綿 「そっちこそなに言ってんの? 俺の性格の悪さ、わかっただろ!?」
麻 「(首を傾げ)性格悪いっていうんは、人を貶めたり苛めたりする人のことで、綿さんのはちょっと気が強いってだけのことですやん」
穏やかな笑みを浮かべる麻に目を見開く綿。
綿 (マジでこいつ、なんなの? 今まで……そんなこと誰にも言われたことない……)
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