14 / 30
本文12
○五分後
息を切らしてロケバスに戻ってくる麻。
箱根「お前、どこ行ってたんや」
麻 「はぁ……悪い。綿さん、これ」
綿にクレープを差し出す麻。
綿 「え?」
麻 「食べたかったって言うてたやろ。せやから買うてきた」
クレープを受け取り汗だくの麻を見て
綿 (なんで……俺なんかのために)
嬉しいと思いつつも素直になれない綿。
綿 「バナナじゃなくてイチゴのほうが良かった。けど……せっかくだから食べてやる」
ぱくりとクレープに齧りつく綿。
それをにこにこしながら見つめる麻。
麻 (かわいい。バナナが好きって俺、知ってるんやけど)
綿が意地を張ってイチゴのほうが良かったと言ったのを、ちゃんとわかっている麻。
無言でむぐむぐクレープを食べ続ける綿。
ともだちにシェアしよう!