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第1話
ジリジリと焦げるような太陽の日差しが照らしつけてくる真夏日。
俺は部室で先輩と、ひと夏の過ちを犯すこととなる。
部活終わり。剣道部一年である俺は、掃除や先生方の防具などを片していた。今年は新入部員が少なく、俺を含め男子部員は三人しか入部をしなかった。そのため、準備や片付けなどは他の部活よりもかなり大変な量をこなしていると思っている。
「健人、まだ終わんねぇの?」
「ああ、あとちょっとやってくから先帰ってて良いよ」
先に仕事を終えた同級生たちに手伝うべきかと声をかけられるが、自分の分くらい自分でやるのが当たり前だと思っているため簡単には頼らない。笑顔で手を振ると彼らは「じゃあ、お先」と談笑しながら武道場をあとにした。
まだ扇風機が回っているとはいえ、真夏日の武道場は尋常じゃないほどに暑苦しい。気を抜いたら今にでも倒れそうだ。
「…あれ、池田?まだ残ってたのか?」
突然入口側から聞こえてきた声に思わず肩が跳ねてしまう。聞き覚えのある声に反応しそちらを振り向くと、二年の河野翔吾先輩が居た。三年が引退した今、新キャプテンとしてチームを引っ張って行ってくれている。面倒みが良く周りのことにも気を配れるため、先生や部員からの人望も厚い。俺も先輩を尊敬しているうちの一人だ。
「片付けをしていて…、今終わったんで帰るところです」
掃除用具を棚にしまうと、先輩の方へ身体を向き直す。どうやら忘れ物をしたらしく、先輩は部室へと入っていった。自分も荷物をとるべく、あとをついて部室へと向かう。さすがに先輩と二人きりも気まずいため、出来れば早く部室を出たいところだ。
「池田ー、お前セックスとか興味ある?」
「ぶほっ、!げほ、っごほ、な、何言うんですか、急に!」
部室内、焼けそうな身体を冷やすべくお茶を飲み始めた途端、先輩からの衝撃的な質問に思わずお茶を吹き出しそうになる。どうにか食い止めたが、かなり盛大にむせてしまった。普段の性格からしてそんなことを口にするような人間ではないと思っていたため、驚きの方がかなり強かった。
「いや、あいつらがまた俺のロッカーに余計なもん詰めてきやがったから…」
ため息混じりにロッカーからものを取りだした先輩の手に収まっていたものは、数本のAVだった。どうやら性欲が滅多に湧かない先輩への気遣いで、同級生の部員たちが毎月どこかのタイミングで詰め込んでくるらしい。
「性処理くらい自分でするっての」
ふと呟かれた先輩の言葉に俺は何故か反応してしまった。おいおい、俺はこんな性癖持ってないはずだろ…。
思えば、これが過ちの前兆だったのかもしれない。
先輩のオナニーが見たい。
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