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第10話
中学迄俺は長い前髪と眼鏡をして読書ばかりしてた為殆ど下を向いて過ごしていた。
そしたら何故か女子に絡まれた。
前髪切ろよ、眼鏡外せ、姿勢伸ばせ、もっと笑え、彼女達にとっては親切心だったのかもしれないが、煩わしかった。
一度無理矢理眼鏡外されて前髪上げられた時、キャァとか嘘でしょ?とか言われて、それ以来余計彼女達に纏まり付かれる様になった。
何故だ?意味分からん。
そのせいで一部の男子には睨まれるし嫌われるしで、散々だった。
お陰で俺は女性が苦手になった。
同性に興味はなかった。
実際格好良いと思える人もトキメク相手も居なかったし。
TVや雑誌でも好きになるのは凛茉みたいに可愛らしい女の子だった。
まぁ、周囲に居る女の子は怖いし苦手だったけど。
この学校を知った時、最初は女子が居ないって事だけが魅力的だった。
でも在校生が沢山ホモに走るって聞いて、興味が沸いた。
男同士ってどんなんだろう?
なんか気楽そう。
で、そのまま進路を此処にしたワケだ。
「先輩は男性が好きなんですか?」
あっ、そう捉えちゃうよな。
「いや、好きになったのは凛茉が初めてだ。因みに好きになったのも初めて」
凛茉は俺にとって初めての恋人であり、初恋の相手でもある。
「妬けますね。でも良かった。ならまだ余り恋愛に免疫はないんですね。もし他にも沢山相手居たら俺嫉妬で何するか分かりませんでした」
ニッコリ笑ってるが、オイ、青葉お前笑顔怖い。
「あっ、失敗しました。折角先輩美味しそうになってたのに長話のせいで戻りましたね。残念です」
美味しそうって、お前なぁ。
もっと違う言い方あるだろうが。
「そういえば先輩。昼休み、屋上で何があったんですか?三浦先輩に死角になっている場所を選ばれたせいで何をしてたか全く分かりませんでしたが」
ん?
「教室に戻る時三浦先輩に縦抱きされてましたね」
ちょっと待て。
なんかいつも思うんだが、コイツの話ってたまにおかしくないか?
「いつもは真面目にノート取っているのに机に伏せたままで。俺心配で授業耳に入りませんでした」
……何故に俺の教室内での行動を知ってる。
「先生に当てられた時泣きそうになったから、慌てて駆け付けましたよ。後で言い訳しなきゃいけませんね、先程の授業の教師に」
だから何故事細かに分かるんだよ俺の行動が。
「ねぇ先輩。教えてくれませんか?屋上で何があったか」
……………………ぅっ!!
言えるか。
言えるワケない。
凛茉と三浦に沢山甘やかされてキスされたなんて。
口移しでご飯食べさせられたとか。
胸触られそうになった時予鈴鳴ったから終わったけれど、ちょっと残念だったかな、とか思ってないから。
三浦に縦抱きされた時耳元で名前呼ばれてちょっとだけイッた、とかないから。
授業中アイツ等に触られた熱が疼いて下半身モジモジしてた、とかないからな絶対。
「先輩顔真っ赤です」
あれ?
なんか怒ってる?いや、拗ねてるのか?コレ。
「俺も一緒に食べたかったです。お昼ご飯」
そうか、お昼逢えなかったから寂しかったんだな。
「モグモグしてる先輩をモグモグしたかったです」
……ん、モグモグ?
意味分からん。
「教室でのあの顔、触った時の熱さ、明らかに何かありましたね?勃ってましたし」
ギャアアアアーーーッ!バレた。
「何されたんですか?2人に」
至近距離で真っ直ぐ見られて真っ赤になる。
そんな綺麗な顔で真剣な顔で見られたらおかしくなる。
ドクドクバクバク鳴り始めた鼓動。
「な、何もな…い、よ?た、唯ご飯。お昼ご飯食べただけっ」
誤魔化す様に口を開いたが、有り得ない位吃った。
俺、恥ずかしい。
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