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第16話
疲れた。
何故疲れを取る筈の休み時間でココ迄疲れなければならないのだろうか。
結局あの後ご飯を食べ始めたのだが、三浦にはギュッってされたままだし、お箸取られて皆から代わる代わる口に突っ込まれるし、凛茉は青葉と少しでも目が合えば何?って威嚇するしで大変だった。
もう美味しいとか一切感じなかった。
「俺明日から三浦と2人で食べようかな」
溜め息交じりにコソコソ三浦の耳元で洩らすと
「良いな、ソレ」
三浦が喜んでチュッ、首筋に唇を落とした。
その瞬間一気に変わった空気。
目に見えて落ち込んだ凛茉と青葉。
「すみません。ご飯の時は大人しく食べます」
「ごめんかずちゃん普通に座って良いよ?皆で食べよ?」
2人は反省したのかションボリし、明日からは皆で仲良く食べる事になった。
唯お昼食べるだけで何で争わなきゃいけないんだよ、もう。
完全に不貞腐れた俺は機嫌直しに三浦に買って貰ったコーヒー牛乳のパックを授業始まる直前迄チューチュー飲んだ。
可愛いな。ストロー似合うなマジで。
ん?
今何か聞こえた様な?
不思議に思い左右を見たが気のせいか。
気にせず余ったコーヒー牛乳のパックを
「残った」
三浦に返した。
青葉に抱かれてから1週間が過ぎた。
凛茉は青葉を生理的に受け付けないらしく、逢う度威嚇している。
毎日苦笑いしながら躱す青葉。
ある意味俺より仲良いんじゃね?って思ってしまう。
そんな2人を見るとドッチに妬いているのか分からなくなる。
抱かれてしまったせいで、無意識に意識してしまう身体。
目が合うだけで、笑顔を見せられるだけで、声を聞くだけで、側に居るだけで熱くなる。
もう一度触れて欲しい。キスして欲しい。
…………千…紗って……呼んで欲しい。
夜布団に入ると無意識に手を這わせてしまうソコ。
青葉に抱かれる迄排泄にしか使用していなかったのに、唯の出口だったのに、変わってしまった。
ココに挿れて欲しい。
奥迄満たして欲しい。
「時雨……時雨…」
ローションで濡らした指で中を擦り上げながら青葉の名前を呼ぶ。
あれ以来凛茉を最後迄抱けていない。
抱くと後ろが疼いて狂いそうになるからだ。
気を紛らわす為激しく壊れそうな位凛茉を抱いた。
が、どう足掻いても胎内の物足りなさは満たされず
「ごめん。調子悪い。ごめん」
凛茉の中から達せれなかった愚息を引き抜いた。
抜く瞬間キュッ、締め付けられてイきかけたが、それでも射精出来なかった。
今迄は数え切れない位イけてたのに何故ダメだったのだろう。
何故こんなに大きく張り詰めて限界に達しているのにイケないのだろうか。
分からなくて途方に暮れていたら青葉から電話が来た。
「先輩」
声を聞いた瞬間
「………………………っあ」
ビクビクンッ、激しく震えた身体。
「先輩?」
青葉の声で俺は絶頂を迎えた。
信じられなかった。
あんなにダメだったのが嘘の様に一瞬で、それも声だけで。
肌着の中で爆ぜたソレは我慢の限界を超えていた為大量の液体を吐き出した。
「もしかして先輩。今1人でしてました?」
「………バ…カ、何……言って?」
達したせいでハァハァ乱れる息。
誤魔化そうとしても身体は青葉の声が聞こえるだけで熱を灯す。
「……千紗…」
甘く優しく呼ばれる名前。
胸が、身体が熱い。
「自分で胸触ってみて下さい」
断りたいのに、無意識に動く身体。
ボタンを外しシャツを脱ぎ捨てるとゆっくり指先で硬く勃ち上がったソコに手を添えた。
「優しく擦って?そして時々強く抓ってみて?」
言われるまま動いてしまう指。
「ぁっ、ん、ふぁ」
自分でしてるのに、まるで青葉にされているみたいな感覚に陥る。
「可愛い。千紗……凄く可愛い」
耳元で聞こえる声が、脳内を支配する。
言われるままに這わす指。
先程出したにも関わらず硬度を増したアレを命令に従い扱く。
一気に限界迄張り詰める。
「気持ち良いですか?良いですよ千紗。イッて下さい」
艶を含む甘い声で許された瞬間
「ひぁっ、ぁ、あ、ああ、ぁあーーーっ」
簡単に弾けた。
「ローション持ってますよね?」
凛茉に使う為持ち歩いているローション。
「それを使って後ろでイッて下さい」
言われるまま手にたっぷり出す。
「最初は周辺を優しく解して、大丈夫そうだったら1本。慣れたら少しずつ本数増やして下さい」
甘くてエロい低音に逆らえない。
「っあ、んん、くっ、ひゃぁ、ひぁ、あ」
電話の前に1人で触っていたソコに再び触れる。
「ぁ、ん、んんんっ、ゃ、時雨、時雨」
あっという間に増やしてしまった指。
2本の指で奥迄突き上げるが
「ヤダ、欲しい。時雨、嫌、も、無理ぃ」
一度実物を知ってしまった胎内は本物を求めて蠢きだす。
欲しい、欲しい。
おかしくなる迄ココを満たして欲しい。
出口だったソコはもう完全に男を受け入れる入口になってしまっていた。
「……時…雨…………時雨……」
呼ぶ声が甘くなる。
逢いたい。ねぇ、青葉。頼む。
今すぐ来て?今俺、お前に抱かれたい。
ヒック、ヒック。涙が溢れる。
「時雨。時雨……」
一度泣きだしたら止まらなかった。
変わってしまった身体が、心が、制御出来ない熱が怖い。
「先輩。玄関開けて下さい」
え?
慌てて階段を降りる。
ガチャリドアを開けると
「時雨」
青葉が其処に居た。
「先輩、今日お母さんは?」
「夜勤で居ない」
「なら、泊まっても良いですか?」
嫌なワケない。
無理矢理玄関内に青葉を引っ張りドアと鍵を締めると
「時雨っ」
俺は青葉に抱き付き、奪うように唇を重ねた。
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