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第6話

「そんな急に転勤って決まるものなのかしらねー」 例の居酒屋でタコわさびをつまみながら、岡崎が呟いた。 佐藤店長が来なくなって1週間。 どうやら別の店舗へと急遽、転勤となったと本部から配属されたマネージャー から連絡があった。 その間、店長不在を俺が代理として勤めたわけだが・・ 「何の挨拶もなしってひどくない?店長はそんな人に見えなかったけど・・」 「何でも転勤先の店長が急に来なくなってさ、そこが繁忙店だからすぐってなった らしいぜ」 それでもやっぱり寂しいよな、と山崎。 「結局、ドライブ出来ずかあ・・」 二人が呟く。 あれから連絡も無く、俺はホッとしてるのか自分でもよく分からない。 以前ならホッとしていたはずなのに。 店長は新しいところでまたスーツを着て 無難に笑って、無難に過ごしているのだろうか 羨ましいと、あの時言っていた感情は隠して 寂しそうに笑っているのだろうか 「相澤あ、ピザ食べねえの?最後のもらうぜ」 山崎が声をかけてきてハッとする。 「俺たちも就職したら、どーなるんだろうな」 いつの日かこの時間がキラキラしていたって思う日が来るのだろうか 店長はそれを知らずに過ごしてきたのだろうか 「なあ、岡崎」 気がついたら聞いていた。 多分それは何かの気の迷いだったのかもしれないけど 「どっか、ドライブスポット知らねえ?」

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