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『貸し』
数日後――。
昼休みの社員食堂。
いつものメンバーが昼ご飯を食べていた。
三成「…そう言えば、真葉。貴方の言っていた『貸し』とはなんだったのです?」
幸村「…『貸し』?…ああ、アレか。ん~、たいした事じゃねぇヨ。」
政宗「む?ユキちゃん貸し借りはいかんぞ。借りた物はちゃんと返さねば。」
幸村「俺が借りたんじゃねぇヨ。つーか、ユキちゃんって呼ぶなって。」
秀吉「真葉センセ、誰かに『貸し』があるん?え~?誰にやろ。」
三成「明紫波にあるらしいです。」
秀吉「へえ?明紫波センセに?何やろ。真琴、気にならへん?」
真琴「…どうでもいい。」
秀吉「え~?気になるやん。真葉センセが明紫波センセに『貸し』やで?」
慶次「…幸村が明紫波さんに『貸し』…スゲー気になる。」
政宗「…む。言われてみれば。」
秀吉「せやんな~?」
幸村「…気にするなヨ(小声)」
慶次「『貸し』って『弱み』みたいなもんじゃん?明紫波さんの『弱み』を幸村が握ってるってスゲーっ(笑)」
三成「…『弱み』ですか。」
秀吉「ええな~。俺もそれ欲しいわ♪」
慶次「お?秀吉~。明紫波さんの『弱み』握ってどうすんだよ~?」
秀吉「そんなん決まってますやん。何かあった時の脅し…、や、交渉のネタにするんよ(笑)」
慶次「脅し…って、悪いヤツだな~(笑)」
政宗「ユキちゃん、脅しはならんよ。」
幸村「だから、俺はしてねぇって。」
三成「してましたよ。」
幸村「なっ!?」
三成「あの日、あきらかに明紫波の態度がおかしかったです。それこそ『弱み』を握られているような…」
慶次「みっちゃん、あの日って?」
三成「俺と明紫波がお休みを頂いた日です。」
秀吉「あ~、あの『二人して休んでナニしてんやろね♡』の日(笑)」
慶次「…あ、あの日、ね(照)」
政宗「む。そう言えば、ユキちゃんも半休をとっていたような。」
秀吉「え~?ほな真葉センセ、ジャマしに行ってたん?やるやん♪」
三成「概ねそうですが、『やるやん♪』ってなんですか。こちらは大迷惑でしたよ。」
政宗「ユキちゃん、邪魔はいかんよ。馬に蹴られてしまうぞ。」
幸村「だーっ、伊達川は黙ってろって。それにジャマじゃなかったダロ?手伝ったんだからナ。」
慶次「…手伝った。」
秀吉「手伝った♪」
慶次「…何を?(照)」
秀吉「ナニを♡(笑)」
三成「前木、豊白、遊ばないで下さい。」
慶次「え?俺も?みっちゃん、ひど~い。」
三成「アレのどこが手伝いだと言うんですか。」
慶次「…ムシられた。真琴~、みっちゃん、ヒドくね?」
真琴「俺を捲き込むな。」
秀吉「前木センセ、あかんよ。真琴は今、お魚さんに夢中やから。」
真琴「…うるさいぞ、秀吉。それに俺が夢中なのは……」
秀吉「え?何?何?最後の方、聞こえへんかったで?(笑)」
真琴「…こんな所で言えるか。」
秀吉「言ってくれてもええのに~♡(笑)」
三成「そこのバカップル、イチャつくなら二人の時にして下さい。」
幸村「…お前も明紫波と職員室でイチャついてたじゃねぇかヨ。」
政宗「む。三成、職員室はイチャつく所ではないぞ。」
三成「イチャついてませんよ。」
慶次「………(照)」
三成「前木。想像で赤くなるのはやめて下さい。」
秀吉「石黒センセ、ツッコミ上手やな~。負けてられへん。」
三成「豊白、対抗意識を持たれても困ります。」
政宗「はっはっは。確かにツッコミが上手いな。ところで話が脱線してはいないか?」
幸村「…伊達川~。余計な事、言うなよナ(小声)」
三成「は、そうでした。とにかくあの日、真葉さえいなければ俺達は最高の日を過ごす事が出来たんです。」
幸村「…ムッ、そうは言うけどサ、俺がいたからアイツのあんな姿が見られたんダロ?」
三成「…………そうですが。」
秀吉「そうなんや(苦笑)」
幸村「それに、石黒だって途中からノリノリだったじゃねぇか。楽しかったんじゃねぇの?明紫波虐めんの。」
三成「……………否定は出来ません。」
慶次「え?みっちゃんが明紫波さんをイジメたの?………(赤面)」
秀吉「前木センセ~、顔真っ赤やで~、どんな妄想しとるん?(笑)」
慶次「…………そりゃあ、あんな事や、こんな事を…」
秀吉「あははっ、や~らし~♡」
慶次「俺だって男だからな、妄想ぐらいするさっ」
三成「はいはい。ですが、それと俺達の邪魔をする事は別です。」
慶次「今度は流された~っ真琴~っ」
真琴「だから、俺は関係ない。」
秀吉「も~、しゃあないなぁ、俺が慰めたる。よしよし」
真琴「…ムッ」
政宗「秀吉、真琴が妬くからやめておけ。」
幸村「…お、そろそろ休憩終わるかナ」
三成「話は終わってませんよ。」
幸村「俺、午後からの手術に入んなきゃなんねぇから、もう行くワ。じゃあナ~」
三成「待ちなさい。真葉!」
慶次「…行っちゃったな。」
秀吉「結局、なんやったんやろな?」
慶次「ん?何が?」
秀吉「何って『貸し』やよ。」
慶次「…あ、忘れてた。」
政宗「まあ、よいではないか。本人達の問題だ。俺達も午後の仕事に行こう。」
慶次「そうだな。よ~し、午後もガンバるぞ!」
こうして彼らの昼休憩は終わった。
周囲のざわめきを残して…。
因みにこの場にいなかったメンバーは
光秀…忙しくてまだ休憩に入れない。
信長…お昼は社員食堂で食べない。
長政…研修出張でいない。
だった…。
了
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