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第0話

  「真人は祥に告白しないの?」  青梅のいない理人たちの部屋。  ソファに座る理人の太ももを枕に仰向けに寝る真人の髪を撫でながら理人は問いかけた。  「……青梅に便乗するみたいでちょっと嫌かな……それに」  一度言葉を切り、 真人は体勢を変えて理人の腹に顔を摺り寄せる。 「それに?」 「それに、 今は、 する気はないかな……するとしたら、 ここ卒業したあとかな」  この学校に感化された、 って思われたくないから。 「……そっか」  ほわっと笑って理人は真人の頬を撫でた。  理人につられるように真人も柔らかく笑う。 「今はりいが幸せそうにしてるだけで、十分だよ」 * * * * 「先生って、本当に笑わないよね」 「ねー。でも、あの無表情な感じもすっごくいいよね」  きゃいきゃいと楽し気に話すクラスメイトの女子たちの話を聞きながら莉生はページをめくる。 (でも、僕は見たことがあるよ、先生の……二条先生の、えがお)  それは、ひとつのこいがはじまるぜんちょう。  

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