5 / 5
第5話 天使、カルチャーショックを楽しむ
「ここか?」
「ひゃぅ、んっっ!や、そこ、だめっ、んんっ」
細い腰を両手でつかみ奥を突いてやると床に寝そべる天使は喘いだ。レオの性器がうまい具合にガブリエルの中を抉る。
「ぁぁんっ!や、ゃん、どうしよ、やだぁ」
色素の薄い瞳から涙が流れ、欲情に染まる頬を濡らす。ガブリエルは体の芯を貫く快感に意味の分からないほど興奮し、気が狂う思いで声を漏らした。このままレオが腰を動かし続けたら自分はどうなってしまうか分からない。今まで経験したことのない感覚に、学生天使は困惑した。
イヤだと口で言っても、ガブリエルの中は喜びレオの体を離さない。奥へ奥へと誘うように肉壁が戦慄き、レオの肉棒を誘いこんだ。
「レオ、さんっ、どうしよ、きちゃう、なんかきちゃうの」
「ガブリエルっ、それはイクって言うんだ」
「んっ、イク、レオさん、僕イッちゃうよっ」
「くっ、俺もだ」
「ーーー!!!」
背中を反らせるとガブリエルは声にならない叫び声をあげて果てた。レオは力が抜けた天使の体を両腕で包み、容赦なく奥を貫く。
「ゃん、待って、もうダメッ、僕、もう出ちゃったっ」
「イッただろ?もう少し付き合って、もう少しだから」
肌と肌が打ち付けられる音が密室に響きわたる。その合間に聞こえるのは、幼い天使の喘ぎ声とレオの荒い呼吸。
絶頂に達したガブリエルの性器から透明な粘液が止まることを知らずに流れ続けていた。
「ガブリエルッ」
「んーーーーーーー!」
最奥を目指し腰を押し入れるとレオはガブリエルの中で果てた。
「んっ、お腹温かい…」
レオが放った精液の温もりが腹の底で感じられる。初めて感じる感覚にガブリエルは自分の腹を撫でた。レオに剃ってもらった付け根部分は毛一本生えてなくツルツルと触り心地が良い。これで同級生たちと同じようになれた、とガブリエルは内心喜んだ。
それに、手伝ってもらった上にレオは教科書に載っていたみたいにガブリエルと交わってくれた。授業で習ったことを実践できたのだ。留学中に学べることはたくさんあるのだなとガブリエルは思った。
「レオさんがまだ入ってる」
ニコリとほほ笑む少年は純粋無垢そのものだ。射精後独特の気だるさが体を包む中レオは不思議と心が幸福感で温まっていることに気づいた。このままずっとこうしていたい……終わってほしくない……ポカポカと心が満たされる。
「ただいまー!」
そんな時に終わりを告げたのは母親の大声だった。
「んっ、お母さん帰ってきたみたい」
「ガブリエル、さっさと体洗って着替えて」
「え?」
「母さんにバレたら色々マズい。あとでちゃんと説明するからとりあえず着替えて」
「は、はいっ」
人間は時々意味不明なことをする。レオの母親が帰ってきたから急いで着替えなくてはいけない理由が全く理解できなかったが、ガブリエルは言われた通りに体を洗い、脱衣所でそそくさと着替えた。
自分の言うことを聞き気だるげな表情で衣類を纏っていく天使の姿を目で追いながらレオは脱衣所にしまってある部屋着を手に取った。先ほどまで着ていた服は風呂場の水や先走りで濡れて使い物にならない。
「あら、二人ともお風呂に入ってたの?」
着替え終え脱衣所を去ると呑気な声をあげた母親が二人を迎えた。
「たまたま同じ方向から来ただけだ。俺はただ顔を洗いに洗面台を使っていただけで」
「お母さん、お帰りなさい!」
「ただいま、ガブリエル。お風呂上がりの飲み物でもいる?」
「冷たい飲み物がいいです!」
「レオ、あなたも飲む?」
「あ、ああ……」
母親は二人が一緒に同じ部屋から出てきたことを不思議と思っていないのか、深く考えていないのか分からないが、それ以上追及してくることはなかった。
「レオさん、お部屋に行ってもいいですか?」
「今からか?」
「夕飯の支度をお手伝いするから、夕飯のあとは大丈夫ですか?」
「いいけど、なんでだ?」
「また一緒に気持ちいことしたいなぁって思って」
「っ?!」
大変なことになってしまったとレオは思った。いや、楽しいことの始まりだろうか、どちらにしてもガブリエルにとっては興味深い「カルチャーショック」の始まりとなるのだが……
「じゃぁ、またあとで!」
ガブリエルの留学期間はあと9か月。これから先の人間界での生活を想い幼い天使の心は躍った。
fin.
ともだちにシェアしよう!