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傍惚れ_拾肆

 あの日のことを口にするのは怖かっただろう。  途中、震える肩を抱き寄せ、もう話さなくていいと言いそうになった。  が、これは青木にとってけじめなのだ。それを宗佑が止めて良いわけがない。  最後まで話し終え、不安げに宗佑を見つめる青木がたまらなく、胸をしめつけられる。 「黙っていてすまなかった」 「話してくれてありがとう、正純さん」  口づけをし、包帯の巻かれた首を撫でる。 「貴方が欲しい」 「私もそう思っていた」  と、寝間着を脱ぎ始める青木の姿を食い入るように見つめる。 「そんなにじっと見られては恥ずかしいではないか。ほら、お主も脱げ」  恥じらう姿もまたグッとくるものがある。  着流しを脱ぎ何も身につけぬ宗佑の姿に、見つめる青木の色気が更に増す。やっと互いの肌を合わせられるという喜びに満ち溢れていた。  肌を撫でながら乳首を摘まんで刺激する。 「んっ、んぁ……」  そこを吸ったり指ではじいていれば、下半身のモノがたちあがり触ってほしいと主張をはじめる。  すぐにそこへは触れず、太腿へと口づけを落としていれば、 「宗佑、こっちは弄ってくれぬのか」  青木が手を重ねてそこへと導かれる。触れて欲しいと強請る青木が可愛くてたまらない。 「もちろん、ここも可愛がるよ」  青木のモノを扱き、先の方を散々弄った後に口に含んで吸い上げる。 「ひぅ」  青木の太ももが痙攣したかのようの震えて口内に暖かいものが放たれる。  それをちゅうと吸い上げて口から解放すれば、足を開いたまま惚ける青木がうっとりと宗佑の口元を見る。  口の端から垂れるのは唾液か、青木の出した蜜なのか。  飲みほぐした後にそれを手の甲で拭えば、じっとその姿を見つめる青木の視線を感じて微笑む。 「今度は正純さんの後ろのお口で俺のを飲み干してくれる?」  といえば、青木の手が宗佑の興奮した雄の部分を愛おしげに撫でた。 「あぁ、お主がしてくれたように、私の後ろでお前のを飲み干そう」  入れるがよいと誘うように足を開く青木に、唾液で後孔を丁寧に濡らして指で解し始める。 「んぁ、そうすけ」  指を増やし、良い所で動かしてやる。  指じゃ足りないとばかりに、青木の視線が宗佑を誘う。 「足りないの? 今、あげるから」  宗佑のモノを窪みに押し当てれば、それに摺りつけるように腰が揺れる。 「欲しがってくれるなんて嬉しいよ」  と囁けば、青木が嬉しそうに微笑む。  可愛い恋人の反応に宗佑の気持ちの高鳴りは絶頂にたどりつく。  深く中へと挿し込み、それを激しく動かし始める。 「ふぁ、そこは、あっ、あぁぁ……」  その快楽に善がり声を上げる青木に、宗佑も興奮し激しく腰を打ち付ける。  ひくっと喉の奥を鳴らして深く深く息を吐き、上から下から水音を立てながら二人で高みにのぼり欲を放った。

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