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第1話

俺は自分のベッドを抜け出して、部屋の向こう側にあるベッドにそっと近づいた。 そこには、俺の一つ下の弟、玲(れい)が、可愛らしい寝息を立ててよく眠っていた。 一ヶ月前に精通を迎えた俺は、その日から度々、大好きな玲に触れて自慰を繰り返していた。 今夜も、ベッドの側で身を屈めて玲の小さな唇にキスをする。 柔らかい感触とほんのりと香る甘い匂いに、一瞬で俺のモノが硬くなる。 右手で玲の白い頬に触れ、左手を下着の中に入れて自分のモノを握る。 しばらく唇を押し当てた後に、少し開いた隙間から舌先を挿し入れた。 玲の歯に触れると、わかっているかのように口が開く。そこから更に舌を伸ばして、玲の熱い舌に触れた。 左手を動かしていないのに、それだけで俺のモノから何かが溢れ出しそうになる。 俺は、もっと玲に触れたくて、玲の舌に舌を絡めてジュッと強く吸った。 「…ん、んぅ…?」 ふいに、玲の苦しげな声が聞こえて、慌てて顔を離す。 長い睫毛を震わせながら、玲の目がゆっくりと開いた。 「…悠…ちゃん?」 常夜灯だけが灯る薄暗い部屋の中で、玲の無垢な瞳が瞬く。 俺の唾液で妖しく光る唇を尖らせて、汚れを知らない無垢な瞳で俺を見つめる。 そのアンバランスな様子に鼓動が高鳴り、俺のモノは限界を迎えようとしていた。 「なあに?もう一緒に寝ないって言ったのは、悠ちゃんだよ?なのに、僕と寝たいの?」 幼い頃からずっと、一つの布団で一緒に寝ていたのに、一ヶ月前に『別で寝るぞ』と強引に離れた俺に、玲はまだ拗ねている。 だって、仕方がないだろ。玲に近づき過ぎると、俺はいつか、玲を汚してしまう。俺の大切な玲を、俺自身の手で苦しめてしまう。 俺だって、辛いんだ。 必死で我慢して、離れたんだ。 でも結局は、俺は玲に触れて欲を吐き出している。欲を吐き出した後には必ず、玲を汚してしまったと落ち込む。 それなのに、止められない。玲に触れたくて、堪らない。 「悠ちゃん?どうしたの?」 黙り込んで玲をジッと見つめる俺に、玲が可愛らしく首を傾げる。 「眠れないなら、僕と一緒に寝る?」 玲が、少し身体をずらして場所を開ける。 「…いや、いいよ。寝言が聞こえた気がしたから…見に来ただけだよ」 「そうなの?残念…。ねぇ悠ちゃん。じゃあ、おやすみのぎゅーして」 「…寝る前にやったじゃん」 「だって起きちゃったんだもん。もう一回して」 「…はぁっ、ちょっとだけだぞ?」 「うんっ」 俺に向かって両手を伸ばす玲の身体を、軽く抱きしめる。 華奢で、柔らかくて、甘い匂いがする玲。 すぐに離れようとすると、玲が強く抱きついてきた。 その瞬間、俺のモノが揺れて、下着とパジャマのズボンを湿らせた。 「…あ!」 「どうしたの?」 「なっ、なんでもないっ。玲、早く寝るんだぞ。おやすみ…っ」 俺は、そう言うや否や立ち上がり、急いで部屋を出る。 「悠ちゃん!どこ行くの?」 「トイレだっ」 ドアが閉まる直前に聞こえた玲の声に返事をして、静かに廊下を進み風呂場に入る。ズボンと下着を脱ぐと、シャワーを出して洗い、自分のモノも石鹸で洗う。 洗い終えると、泡を流してシャワーを止め、大きく息を吐いた。 俺が欲を吐き出してしまった瞬間に、こちらを見た玲の無垢な瞳。とても綺麗でキラキラとしていた。あの瞳を曇らせてはいけない。玲を汚してはいけない。 そう思うのに、俺は玲に触れることを我慢出来ないでいる。 矛盾する気持ちに胸が苦しくなって、俺はその場にうずくまり声を殺して泣き出した。 決して手に入れることの出来ない、愛しい玲を想って。 end.

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