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第1話 プロローグ

僕が大好きだった君はもういない。 風のように、ふっと消えて見えなくなってしまった。 笑顔で溢れていた君は、思い出の中でしかもう生きていないことを何年経っても信じたくなくて、まだ生きているんじゃないかって思ってしまっている。 でも、もう君の笑顔も泣き顔もこの目で見られないことが悲しくて、辛くて、仕方がない。 なぁ、神様がいるんなら、どうか運命だというのなら、変えてほしかった。 起きてしまったことはしょうがないけど、居なくなるのが君がじゃなくて、僕だったらよかったのに。 でも、君は言うのだろう。「貴方がいなくなったら悲しい。」って。 でもどんなに泣いたって、忘れようとしたって、君は僕の人生に深く刻み込まれていたから。今さら忘れらなかった。 君との生活はかけがえなくて、儚く短かったけど、好きだったことは変わらない。 好きな人がいなくなるって、こんなに 悲しいんだって。 愛せば愛すほど、苦しくて、胸が締め付けられるような恋愛が嫌いだったはずなのに、いつのまにか君を好きになってしまって。 もう一度君と会えるのなら、好きだよと、嫌になるくらい、何回、何百回、何千回と君に伝えたい。そんなことが無理でも幻でも会えたらいいのに。

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