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第20話

「冬馬くん!お昼食べましょう!」 「あー悪い。今日ちょっと先行ってて」 「待ってますよ?」 「いや、すぐ行く」 昼休み教室に来た翔琉に一言言うと、俺は誠に話を聞きに行った。 「何があったんだよ」 「…俺の家の事情知ってるだろ?」 誠には二人の弟がいる。 だけどそれぞれ父親が違う。 誠にとっては三人目の父親、一番下の子の実の父親が危篤だという連絡が遥斗との約束の日にあったらしい。 「遥斗に隠すつもりはなかったんだけどあんまり知られたくなかったというか、いつかは話そうと思ってたけどあまりに急で俺も心の整理ついてなかったから…」 まぁ誠の言い分もわからないではないけど 「それでも少しでも話した方がいいんじゃん?」 「そうだね」 そう頷いた誠はいい顔をしていてこれで一件落着かなと思った。 「冬馬!誠と仲直りした。ありがとう!」 「おー良かったな」 後日遥斗は満遍の笑みで俺へ報告に来た。

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