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プロローグ

ただ、綺麗だと思った。   虎を彷彿とさせるような素早く力強い走り。 時折見せる、燃えるような真っ直ぐな瞳はゴールだけを見据えていた。 真っ青な青空の中、甘ったるい花壇の花の匂い。 たったの十数秒。 俺は、その人から目が離せなかった。 今もあの時の光景が忘れられない。

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