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運命の番が現れた※
「サクッ…、んあ、おれ、ン」
「アキさん、もうイっちゃうの?…ハ、ノット固いね」
両手を縛られてしまい、身動きがとれない。俺の股の間にいる男に、男根のノットの部分を舐められ変な声が出てしまう。
「さ、さくぅ…んあ、は、アッ」
「きもひい?」
「そこで、しゃべるなぁっ…んあ」
じゅぷじゅぷと、唾液を含ませてフェラをするサクに欲情をする、いつもなら、俺がリードして挿れているのに。お前の、ナカでイキたいのに。
「いつも、これ俺のこと気持ちよくしてくれるんだよね、
…ご褒美あげないと」
「ぁぁア、んあ」
栗色の髪の毛が腹のあたりにあたる。いつもは俺の下でかわいく鳴くサクが、今日は雄だ。
…あぁ、俺の番はいつだって、カッコいい。
***
この世界に、運命なんてあるのだろうか。それは俺にはわからないし、信じてもいない。自分の選択は必然でも偶然でもなく、運命でもない。俺が、今まで行動したことすべての結果がそこにあると思っている。
社会は、俺達が持つ第二の性によって区別されることが多い。人間を、α・β・Ωなんて区別ができるようになってから男女雇用機会均等法も真っ青の、バース優先の考え方が蔓延している。でも、それは決して不当ではないのだ。確かにαは優秀すぎるほどに優秀だし、Ωは何をしても、ダメな奴が多い。Ωは、子供を産むために存在している、と言っても過言ではないのだ。
しかし、世の中の常識も俺には当てはまらない。
今まで、Ωをバカにする男たちを屈服させてきた。小学生の給食の残りだって、中学の体育祭だって、高校での学期末の学年トップの座だって、俺は全て努力で勝ち取ってきた。
中学の時の、バース診断でΩという診断に、周りは驚いていたようだが、俺は特段驚くこともなかった。思うことはただ一つ、この場のαより、俺の方が優秀である、と。
幸いと言っていいのか、Ωとしての俺は優秀ではなかったようで、発情期も大したことなく、「αだ」と言っても信じてもらえるのだ。
そんな俺に転機が訪れたのは、大学一年の新入生歓迎会。α性の強い、先輩にΩであることがバレてしまったのだ。
そのまま、ホテルに連れ込まれうなじを嚙まれて晴れて(?)ゴールイン。
発情期も定期的にしっかりずっしり訪れるようになったし、今まで自慰も前けいじっていたのに、後ろまでいじらなかれば達することができなくなってしまった。
俺の番は、「さすがα」と言えるほどに天才肌である、俺が今まで努力でこなしてきたことを簡単に成功してしまう。一年先輩の彼は、学内でも注目の存在で眩しい。
そんな彼が、こんな状態で帰ってくるなんて、思いもしなかった。
「…ごめん、サク。……俺に、運命の番が現れたんだ。」
俺とは違うΩの匂いをさせ、発情して帰ってきた己の番を見下ろす。「おかえり」も言わせてもらえず、縋る様に俺に抱き着く番の背に手を回す。
***
この世界に、運命なんてあるのだろうか。それは俺にはわからないけど、信じている。自分のが成すことすべて運命であり、必然である。俺が、今まで行動したことすべての結果は当たり前であり、俺はいつだって話の中心だ。
社会は、俺達が持つ第二の性によって区別されることが多い。人間を、α・β・Ωなんて区別ができるようになってから男女雇用機会均等法も真っ青の、バース優先の考え方が蔓延している。でも、それは決して不当ではないのだ。確かにαは優秀すぎるほどに優秀だし、Ωは何をしても、ダメな奴が多い。Ωは、子供を産むために存在している、と言っても過言ではないのだ。
しかし、世の中の常識も俺には関係ない。
今まで、αであるという前に優秀な俺は、周りのすべてを屈服させてきた。小学生の給食の残りだって、中学の体育祭だって、高校での学期末の学年トップの座だって、俺は全て才能で勝ち取ってきた。
中学の時の、バース診断でαという診断に、周りは「さすがだ」「当たり前だ」と囃し立てたが、俺は気にすることひとつなかった。思うことはただ一つ、この場のαより、俺の方が優秀である、と。
そんな俺に転機が訪れたのは、大学二年の時に参加した新入生歓迎会だった。
整った顔、長い手足を折りたたんで端の方で飲む男。喉や筋肉の付き方も明らかに男なのに、どこか儚げで華奢に見える。そこにいた老若男女を魅了し、彼に話しかける機会をうかがっている。
俺は、互いを牽制しあう奴等を避け、かっ攫ってやった。
そこで気づいた彼の秘密、男前で優秀であると謳われる男、月影祐作(ツキカゲユウサク)は、人類のピラミッド最下位のΩであったのだ。
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