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第15話*美鈴おこ*
「ツクモ━━━」
リビングのソファに手をつきながら美鈴はツクモを探す。
「美鈴ちゃーん。ツクモ寝てるー」
美鈴が声のする二階へ目をやると、ラフにシャツを羽織ったアキラがいた。
「アキラさん。ん?ん―?その部屋・・」
「アキラさん!!ソレ止めてって、私前に言ったよねえ?」
「あ、待って美鈴ちゃん。カミナリの前にコーヒー飲もう?」
ぶすーっとした顔でコーヒーに口をつける美鈴。
困惑顔のアキラ。
「ねえ美鈴ちゃん、何かあった?昨日のツクモ様子がおかしかったんだけど」
眉尻を思い切り上げ、侮蔑した目でアキラを見ながら口を開く。
「たぶん、大事にしたいものに傷をつけたと思っているのよ」
「触れるのにも躊躇していた大事なものにね」
「ふーん。俺と扱いは正反対なわけね」
「アキラさんと肌を合わせる理由は知っているでしょう?」
「まあね。聞かされましたし。どうせ俺たちの間に特別な感情なんてないし」
「ツクモはどうしたらいいかわからないのよ。人を好きになるっていう事が。
ずっと蓋をしてきた感情だもの」
「だからもう一度人を好きになるってことを思い出してほしいの。
幸せだって体で感じて欲しい」
「ふーん。で、その子猫ちゃんはどこの子?」
「教えないわよ。アキラさん、すぐツクモをいじめるから」
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