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初恋

その日はデザイナーの仕事をしてる母親につれられ、大きなパーティに来ていた。 大きなおやしきの大きな庭で、たくさんの料理にたくさんのオカシ。 キレイな服を着た女の人と男の人達が楽しそうに話をしている。 お母さんも知ってる人に会って楽しそうに話をはじめた。 ボクはお母さんのジャマにならないように、そっとソバをはなれ、ほかを見に行った。 ボクみたいな子どもも何人かいて、遊んでいる。 でもボクはその子達より、オカシが気になったからそっちに行った。 テーブルいっぱいのオカシ。 ボクはポケットに入るだけのオカシを入れて、手にも持てるだけ持つと、しずかな所をさがしに行った。 庭のおくの方に木がいっぱいの所があった。 ボクはそのうちの1本の木の下にすわりこむ。 そして持ってきたオカシを全部自分の前に広げて、食べはじめた。 「…おいしい♪」 空を見あげると、葉っぱの間から見えるお日さまがポカポカとあたたかい。 風もそよそよ気持ちいい。 ボクはいつの間にか、ねむってしまっていた。 どのくらいねむっていただろう。 ボクの近くで、うるさい声がした。 体をゆすられて、半分おきたけど、目がまだ開かない。 うるさかった声がしずかになった。 ボクはまたゆめの中にもどろうとしたけど、口にやわらかいモノがさわった。 なんだろう?と、目を開ける。 すると目の前に、知らない男の子の顔があった。 ボクがおきたことに気がついたその子は、あわててボクからはなれ、顔をまっ赤にしておこりだした。 「お、お前!こんな所でなにをしている!女のくせにこんな所でオカシを食べちらかしてねむるとは、どういう事だ!」 その子は金色のかみをしていて、目はくりくりと大きく、とてもえらそうなしゃべり方をしていたが、…かわいかった。 「………」 ボクがその子に見ほれていてだまっていると、その子はもっとおこった。 「おいっ、聞いてるのか!!」 「…きみ、名前は?」 「お前はなんだ?!人に名前を聞く前に、まず自分が名前を言うものだろう!」 「…そう。じゃあ、きみの名前は?」 「人の話を聞け!…ふぅん。だが、いいだろう。ぼくから先に名のってやる。いいか、よく聞け!ぼくは、みのさきすず、8さいだ」 えっへん、と、ふんぞり返るすず。 「…すずって言うんだネ。ボクは、さなばゆきむら、8さいだヨ。よろしくネ、すず」 ボクがニッコリわらって、すずを見ると、 「え?ボク?…お前、男なのか?」 と、すずはショックをうけているようだった。 (…まあ、よくまちがえられるから、いいけどネ) ボクがこまった顔をしていると、すずが手を差し出してきた。 「…だがいい。同じ8さいなら、ぼくの方がおにいさんだな!ぼくは8月生まれだから!」 高らかにわらう、すず。だけど 「…ボクは6月生まれだヨ」 と、言うとグッとだまってしまい、話をかえてきた。 「…まあいい。お前が『さなばゆきむら』なら、ちょうどいい。お前のお母さんがさがしていたぞ」 「…え?お母さんが?」 ボクがすずの手をつかむと、ひっぱって立たせてくれた。 「ああ。お前のお母さんとぼくのお母さんは、デザイナーなかまなんだ」 「…そうなんだネ」 「さあ行くぞ、ゆきむら」 「…うん」 そうしてボク達は、手をつないだまま母親達の元へともどったのだった。 数年後――。 俺達は初めて会ったあの木の下で、逢瀬を重ねていた。 くちゅ、くちゅ、ちゅ… 「…ほら、鈴。…もっと、舌出せ…ヨ」 「…は、…っ、…うるさい、幸…村。この俺に…指図、する…な」 俺達は会う度に唇を合わせるようになっていた。 最初のキスは、鈴が寝ている俺を絵本で見た眠り姫だと思いシたらしい。 次に会った時のキスは「そんな所でねている、お前が悪い」と真っ赤な顔で逆ギレされた。 俺が木の下で眠っていると、キスで起こす鈴。 俺は眠りながら鈴を待つようになった。 中学生になり、俺は触れるだけのキスが物足りなくなった。 いつものように軽いキスをして離れようとする鈴を捕まえ、より深いキスをする。唇を割って舌を差し込んだ所で、驚いた鈴に逃げられた。 翌年は、キスをしてもらえなかった。 その次の年は、俺から鈴にキスをした。 「…はぁ、…鈴、…鈴。…もっと、キス…して、…いいか…ナ?」 「……貴様が、…シたいなら、…すれば…いい」 顔を赤くして上目遣いににらむ鈴が、偉そうに許しをくれる。 そんな鈴が愛おしくて、俺は何度も何度も角度を変え、そのうすい唇を貪った。 高校生になった俺はキス以上を鈴に求めた。 いつものようにキスをしていた俺達。互いの舌を絡ませ唾液を交換するように深く唇を合わせていた。 「……は、あっ」 息苦しそうに吐息を吐く鈴。そんな鈴の頬にキスをして、そのまま首筋、鎖骨へと舌を這わせて行く。 「……幸村?」 鈴が困惑した声で俺の名前を呼ぶが、俺は何も答えず、鈴の服を乱していく。 「…何をしている、貴様。…止めろ」 鈴が抵抗しようとするが、俺は構わず鈴の体を組み敷き、服の下から現れた鈴の胸の尖りを口に含んだ。 「…ひゃっ、」 とたんにあがる可愛い声。俺は含んだ尖りを舌で転がす。 「…や、やめっ、」 鈴が必死に俺の頭を掴み引き剥がそうするが、全く力が入っていない。 「…鈴、…かわいいナ」 俺は口を離すと唾液で濡れた尖りを指で弾く。 「ひゃんっ。…幸村、…貴、様」 そんな小さな刺激にも反応し、涙目になりながら俺ににらみを利かせようとする鈴。 「…今なら、まだ許してやる。…俺の上から、どけ。幸村」 「…そんな事言って、いいのかナ。…ここ」 上から目線の物言いだが、全く効力はない。寧ろ鈴の体は次の快楽を待っているようにアソコが膨らみをみせていた。 俺は服の上からその膨らみをそっと撫でる。 「ひゃあぁ」 仰け反る鈴の体。あまりの感度の良さに俺の理性は振り切れそうだった。 「…は、…いい反応だヨ。鈴…、もっとシてあげるネ」 「…な、…や、やめっ、あ、はぁ、…ああああぁ」 気がつけば、俺はムチャクチャに鈴を抱いていたらしい。 意識を飛ばしていた鈴が目覚めると、メチャクチャに怒られた。 だが、俺達の関係は今も続いてる。 子供の頃に一目惚れしたのだ、今更、離れるつもりはない。 これからもずっと、鈴、お前を愛し続けるヨ。 おわり

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