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告白・3
雀夜の腹筋に力が入っている。腕にも、腰にも。逞しくて愛しい雀夜の男の体が、俺のために躍動している。
「雀夜、好き……」
「………」
いいよ、応えてくれなくても構わない。全部俺の自己満足だから……大丈夫。
「あ、んっ……! 雀夜っ……あ」
激しく腰を振る俺の腕を、雀夜が強く引っ張った。
「あっ……」
そのまま倒れた俺を抱きしめ、雀夜が体を回転させる。今度は俺が雀夜の下になった。
「桃陽……」
「んやっ、ぁ、あっ……!」
正常位で突かれると、途端に余裕がなくなってしまう。俺の中を深く抉るようにかき回してくる雀夜を受け入れるのに精一杯で、まともに息すらできなくなる。
「はぁっ、あ……あっ」
「桃陽、……遊隆に殴られた理由、教えてやるよ」
「えっ……?」
唐突に切り出され、俺は雀夜の下で身悶えながら視線を上に向けた。
「な、なに……? どうして……?」
「……やっぱ秘密だ」
「な、んだよっ……あっ、あ! 雀夜、もっと……」
今は俺と雀夜の二人きり。できれば遊隆のことは思い出してほしくない。
たぶん、雀夜もそう思ったから理由を言うのを止めたんじゃないかと思う。そういうことにしておいても、良いだろうか……。
「雀夜っ……!」
「……くっ、……」
とにかくもう、意識が途切れてしまいそうだ。打ち付けられる度に身体中が痙攣しているし、雀夜の手の中で扱かれているそれは、今にも爆発しそうな程に熱くなっている。
「も、もう俺っ……」
終わらせたくなかった。この特別な時間がずっと続いてほしかった。雀夜が俺だけを見て、俺だけに集中して、真剣になってくれている熱い夜。明日死んでも悔いはないくらいに幸せで、満たされている俺の心。
終わってしまうなんて、残酷すぎる。
「もうイきそうか、桃陽……」
「うー……まだ!」
「へぇ。お前にしては頑張るな」
俺は虚ろな目で力なく笑った。一分でも一秒でも長く雀夜と繋がるためなら、どんな我慢だってしてやる。
「そんじゃ、ソッコーでイかしてやるわ」
言うなり、雀夜が俺の腕を引いて体を起こさせた。
「わっ……」
繋がったままの状態であぐらをかいた雀夜の上に座り、至近距離で見つめ合う形になる。
「うー……」
汗だくで真っ赤になった顔を間近で見られるのは、なんだか照れ臭い。思わずそっぽを向いて雀夜から目を逸らす。
「桃陽、動かすぞ」
「ん……ん、う」
下からユサユサされて、俺は恥ずかしさに俯いた。雀夜は俺をじっと見つめている。そうしながら腰を揺らし、俺のそれをゆっくりと上下に擦っている。
「桃陽、顔上げろ」
上目に雀夜を見ると、雀夜が伸ばした手で俺の頬に触れた。それからゆっくりと顔を引き寄せられ、唇が近付けられる。
「ん、……」
繋がった唇の間で舌先を触れ合わせるだけの遠慮がちなキス。それでも幸せだった。セックスの時にするキスって、どうしてこんなに嬉しくなるんだろう。
「ふ、あ、……」
「桃陽」
キスだけじゃない。
「俺の物になるか」
言葉、そして温もりも――。
「さ、っ……」
俺が何かを言う前に、雀夜が強く唇を塞いだ。
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