9 / 29
ヘッドライトの光、蜘蛛の糸
君に一目惚れしたのは僕で
君は僕を友達と思っている
だけど僕は一度警告した
人気のない残業中の給湯室でキスをした
僕はきっと君を離さないから近づけないように
気をつけていたのに、君から近づいてきたよね
一緒に飲もうと言って来たのは君だ
まるで高速道路で走る車のライトに飛び込む虫の様に
ふわふわと飛びながら蜘蛛の糸に絡み捕まる虫の様に
何で近づいて来たの
君にとっては友情でも、僕にとっては愛情…いやそれ以上の束縛の愛
ベッドで眠る君の腕に手錠を掛ける
目覚めた時の君の顔を思い浮かべるだけで僕は幸せを感じるよ
昨日までの優しい僕はもう居ないから
手錠を掛けたまま
ふんわりと蛾のように君に触れて
ねっとりと蛙のように君を舐めて
どんなに君が怒っても
僕は君を呑み込む
ああどんなに美味しいことだろう
僕なしでは居られない身体にしてあげるから
誰にも渡さないから
早く目を覚ましなよ
【了】
ともだちにシェアしよう!