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ハロウィンの夜に
サラリーマンにとってハロウィンなんてハッキリ言ってどうでもいい。月末最終日のクソ忙しい1日が終わり、クタクタで帰宅しようと街を歩くと仮装した若者達がワラワラ奇声をあげてる。全くいつからこんな下らないイベントが始まったんだ、と毎年毒づいてた。
そんな俺がまさか今年、自分がハロウィンに仮装するなんて。昨年の俺が指差して笑ってらあ。
きっかけは今年の夏から付き合い始めた歳下の恋人、光希の言葉だ。
「ハロウィン近くなったね!お互い仮装しようよ!」
十一歳歳下の光希はまだ大学生だ。ハロウィンはしゃぎたい世代である。それを聞いた俺の顔がかなり引きつっていたのだろう、光希はジッと俺の顔を見てダメ?と聞いてきた。
…断れるわけがない。そんな可愛い顔で覗きこまれたら。
ただ外に出るのは勘弁、ということで俺の家でお互いの衣装を準備して交換した。
「じゃあ、憲次さん!これっ」
可愛らしい笑顔を見せて渡された紙袋の中にあったのは。
「…ナース?」
「うん!可愛いよねっ!たまには違うことするのもいいよね!」
この衣装、ハロウィンに関係あるか?というか嬉しいのか?この衣装で。
光希が嬉しそうにしている姿を見てまあいいか、とほだされてしまうのは惚れた弱みだな。
「違うことついでに、今日はさ、逆にしようよ」
ナースが僕に入れちゃおかしいでしょとサラリという。まてまてまて、ハロウィンの定義はなんぞや!普段と違うことをするためじゃないぞ!俺が言葉を失ってると光希はニッコリと笑う。
「大丈夫、優しくするから♡」
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