1 / 52

第1話 俺はオメガだそうです

バース検査をして『Ω性』だとわかった。 両親はβ同士だったので当然自分はβだと楽観していた。 そもそもΩ性って何万分の一の割合の希少価値な存在で、平凡に暮らしてきた俺にはまるでピンと来ない。 「俺、子供産めちゃうの?キャッ!」……そんな情報しかわかってない。完全に勉強不足だ。 パーン 「瀬那、おめでとう!」 「Ωやったわね!さすが私の子だわっ」 パパッーン 両親もそうだったのだろうか……家の玄関ドアを開けたら両親揃ってクラッカーでお出迎えをされた。父、仕事は? けど、なんかおかしい。 家に着いたらセンターから既に両親に連絡があったらしく、リビングには幼稚園の何かのイベントのようなキラキラ可愛らしい飾りつけ、そしてテーブルにはお赤飯とケーキ、クリスマスと正月がいっぺんに来たようなご馳走……インスタ映えを狙ったかのように並んでいた。 ケーキには『おめでとう、Ωちゃん☆』の文字。だれですか、Ωちゃんって。 そもそも、Ω性になってしまった息子を祝福されるほど歓喜されるものだっだっけ?

ともだちにシェアしよう!