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第8話 メイド服はちょっと
俺は緊張の余りかつにブラックなメイド服に意識が向いていて、伝えられた仕事のイメージは『家政夫』感覚に考えていた。
だって普通はそうじゃない?嫁に来たと言っても男の俺だもの。
なのにどう勘違いの勘違いをしたのか、今、用意されている家政夫の服がどう見てもメイド服なのだ。それもさっきから意識をして絶えない黒のフリフリエプロンと膝上のスカートのメイド服…べ、別に着たいとは思ってない。
……ところでこのお屋敷では家政婦とか使用人呼びは当主の意向ではしないようで、メイドさんと呼んでいるらしい。けど、問題はそんなことじゃない!勘違いもとても気になるけど、今はコレが気になって優先してしまう。
「あの、俺はメイド服はちょっと…ベルボーイみたいな制服ってないんでしょうか?」男の人は詰襟のカチッとしたカッコイイ服を着用していた。
「メイド長が採用したのは『メイド』だと聞いているわ。だから早く着替えて。あ、そこのあなたも…175㎝以上あるのね…サイズ合うのあるかしら?」
ぱたぱたと忙しそうに俺たちの世話をしてくれているメイドさん。ちょっと年上だけど可愛い…。
俺の他に新人がもう一人いて、先ほど『え?もう一人来たの?』なんて騒いでたから本命がこの人だと思う。採用されて良かった、責任を感じてたから……しかし身長がめちゃくちゃ高めの女の人だ。頭一つ分高い。綺麗な人ではあるけれど、ニコニコと笑顔でお行儀よく椅子に座っている。
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