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第15話
綴人side
語られた事実を飲み込むのに少し時間がかかった。俺たちの知らない間に弟がそんなに苦しんでいたなんて……。
「……で、そのαの家を潰したのは藍。俺、αに見えますよね。実はβなんです。両親は二人ともαで、αとして育てられました。俺は藍のことを愛しています。でも、運命の番に出会い取られそうになったら…。その子を…、津雲を虐めてしまって…。謝って済むことではないんですが……。すみませんでした…」
「すみませんでした…。俺も知っていながら、運命と言うだけで体も心も津雲に囚われそうになるのが怖くて…。黙認どころか一緒に…。彼を傷つけた。俺の命で許して貰えませんか…」
「……何言って!なんでっ!それなら俺が、俺の命で!」
確かに俺たちの家はヤクザだけど、そう、無闇矢鱈に殺したりしない…。
大体、今の話からすれば、悪いことはしているが、弟のことを守ってくれていたみたいだし。むしろ感謝するべきではないだろうか…。
「待て待て、落ち着け二人とも。確かに酷いけど、でも、二人は悪くないでしょ…。二人はちゃんと生きて幸せになって。それで、結人の友達になって。そしたら君たちを一緒つけまわさなくても監視出来るからね」
「「…はい…。ありがと、ございます…」」
二人は一瞬、恐怖の表現を見せたが、約束は守ってくれるだろう。あとは、結人の事だけだ。
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