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第9話
うわぁ、危ない!!
と悠介はこちらに倒れてくる身体をガシリと抱え込み衝撃に耐え何とか支える。
俺より少し背の高い男だ。
思ったより筋肉が付いているのかガッシリしているような気がする。
それに少し体温が高いのか触れている所が熱く感じた。
相手はもう大丈夫になったのか身体を離そうとするので、危ないので、いきなり動かないで下さい。と言いながら身体を離す
「もう大丈夫ですか?」
「あぁ、何度もすまない。」
「いえ、俺は大丈夫ですけど、」
すると左手の甲が少しヒリッとしている事に気付き軽く見ると血が出ているのをみて慌てて隠すように右手を当てがうが、その行動が目を引いたのか
「あっ、」
「血が出てる、すまんカメラが当たったか...」
バレてしまった。
「大丈夫ですよ、このぐらい舐めとけば治りますから」
と気にしないで欲しいと軽く言ったのに何故かいきなり手を取られその血を舐めとられる
ペロッ ペロッ
ビクッとその舌の動きに身体が反応した
えっ??と困惑してしまう。舐めとけば治るとは言ったが本当にするとは。
しかもその舌の異様な赤さにに、俯むき黒の長めのウェーブが掛かった髪が流れ落ち顔に掛かり、俯いている目は長い睫毛に覆われていてのそ妖艶さに目を奪われてしまう。
俺よりは年上だろうその男の顔はスッキリとしたシャープな顎に綺麗な鼻筋が通り美丈夫と思わせる大人の男のようだった。
なんかヤバイこの舌の動きとこの視覚からの眺めに何故か悠介はソワソワしだしてしまう。
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