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FD
僕には恐いものがある。
図書室、屋上、満員電車、エレベーター、公園・・・。
ほかにもあるけど、なによりいちばん恐いもの。
今、僕の目の前にいる、彼。
「ぁ、あきら、くん・・・」
一条 暁 くん。
勉強も運動も出来て、格好良くて、身長185cmと背も高い。
完璧なイケメン・・・で、α 。
158cm の僕なんて普通にしてたら視界にも入らないだろう彼は、僕のもつトラウマ全てをつくった張本人。
そして、高校生になって発情してしまった僕の・・・番 。
「湊 、帰ろう」
そう言って、優しげな声とは裏腹に有無を言わさぬ力で僕の手をひく。
「ぁ、ぁのっ、あのねっ、僕まだ、図書室に用事、が・・・っ」
「本なら俺の家にもあるだろ?」
「・・・ぁ、ぅ、うん・・・」
暁くんの家は大きい。
部屋の壁がぜんぶ本棚になってる広い書斎もある。
初めて行った時は驚いて、好きに読んでいいって言われて喜んで、油断して・・・。
暁くんに襲われて僕は発情し、彼の番になった。
最初のトラウマを生んだ部屋・・・。
「ぃ、痛い、ょ・・・」
「ちゃんと捕まえてなきゃ、湊は迷子になるからね」
迷子になったんじゃない、君から逃げようとしたんだ。
でも、もう諦めた。
だって、逃げようとすればするほど、君という恐怖が酷く僕を襲う。
捕まったら、僕の都合も場所も時間も関係なく、暁くんは僕を犯すんだ。
「・・・もぉ、逃げたりしない・・・から・・・」
「あたりまえだろ?湊、俺から逃げようとしたの?」
「・・・ぁ、ち、ちがくて・・・」
暁くんの黒曜石みたいな強い瞳で見つめられると、僕は話せなくなる。
息もうまくできなくなる。
「・・・っ、ご・・・め、なさ・・・っ」
「どうして湊が謝るの?湊はイイコだろ?」
そお言って、暁くんは僕の頬を撫で、キスしてきた。
ここ、まだ学校の正門前なのに・・・。
僕が固まってると、口を開けろと眼で言ってくる。
逆らったりしたら、こんなとこでなにされるかわからない。
「・・・ん、・・・ぁ・・・んぅっ、・・・っ、ふ・・・ぅん・・・っ」
深く深く、舌と舌を絡められ、息もできないくらい支配される。
僕はされるがまま、震えながら、涙を流すだけ。
「ん、行こうか」
「ふぁっ、はぁっ・・・は・・・っ」
やっと満足して、唇を解放してくれた。
息も絶え絶えで身体に力の入らない僕を、暁くんが引っ張ってく。
きっと今日も自宅へは帰してもらえない。
明日は学校が休みだから、暁くんの部屋に閉じ込められるんだ。
どおして。
どおして僕なの。
友達だと、思ってたのに・・・。
暁くんの家に着くまで、僕はずっと、こうなってしまった原因を考えてた。
部屋についたらすぐ、制服を脱がされベッドに押し倒される。
シャワーも浴びてないのに、暁くんは僕の恥ずかしがるとこばかり舐めるんだ。
「あっ、やだぁっ・・・ぁきらく・・・っ」
「湊は泣き虫だな。ほら、おいで」
「ぅあっ・・・ゃ、まだ・・・ぁああっ!」
暁くんが僕を抱く。
散々舐めて慣らされたそこは、凶悪な彼をあっさりのみ込んだ。
今日も、暁くんの部屋の、暁くんのベッドで、僕は暁くんのもの。
「ゃぁっ、ん・・・っ、・・・ひぁあ!」
「湊、みなとっ、可愛いよ。このまま孕むまで犯してあげるからね」
どおして、どおして、どおして…っ。
僕、なにか悪いことしたの?
初めて会った時から僕に優しくしてくれた君に、甘え過ぎたのがいけなかった?
鬱陶しかった?
君以外に友達をつくろうとしなかったから?
その大切な友達に、発情してしまったΩの僕を罰してるの?
「・・・っ、ひぅ・・・ぅ・・・ぁき・・・ごめ・・・っ、な・・・さぃ・・・っ」
「湊?」
「ぼく・・・ゎるか・・・っ」
泣きながら謝る僕を貫いたまま、暁くんの律動が止んだ。
「湊、自分が悪いと思ってるの?違うよ、湊が悪いんじゃない。湊が悪いんじゃないんだ・・・」
「・・・ぁき・・・?」
「湊を見た瞬間、俺のものにしなきゃって思ったんだ。まだ湊がΩだって知る前から、誰にも触らせたくないと思った。だから、いつでも湊の傍にいて、誰も近付けないようにして、湊が俺だけを見るように、俺だけを欲しがるように、俺なしでは生きられないように・・・」
声も出なかった。
暁くんの瞳は、初めて会った時から変わらない。
僕だけを映して、僕のナカに入り込んで、僕を支配する。
「ほら、湊、これを着けてあげる」
僕とつながったまま、暁くんがベッドサイドからきらきら光るものを取り出した。
「ああ、やっぱり可愛い。よく似合うよ」
暁くんの手で、僕の首にはめられた、冷たい銀色の首輪。
首輪には同じ色の鎖がつながっている。
「最初からこうしておけばよかったね。こうしておけば、もう誰にも君を穢されない」
ああ、もお、家に帰るどころか、この部屋から出ることもできなくなった。
「・・・っぅ、・・・ひ・・・ぅっ・・・っ」
涙がとまらない。
これからの毎日は、暁くんという恐怖が、僕の世界の全てになるんだ。
目が覚めてから眠りに就くまで・・・。
「湊、愛してる・・・俺だけの湊」
「・・・ぅあっ、あっん・・・ひぁあっ」
はやく、はやく。
僕を壊して。
僕のナカを君で充たして。
そうすれば、きっと。
「ぁっ、あぁんっ・・・ぁき・・・あきぃっ」
「みなと・・・っ」
君という恐怖が、きっと、喜びに変わるから。
「はぁあんっ、ぃいっ、そこぉっ」
「はぁ・・・っ、みなと・・・っ、かわいいよ・・・っ」
「ゃぁあんっ、ひぅぅ・・・っ、ぃっちゃ・・・ぅ・・・っ」
恐怖に身体の中を犯されて、内側から染み込んでいくのを感じる。
このぞくぞくが、堪らない。
背筋をうねる快感が、脳が麻痺する感覚が、キモチイイと、思う。
我慢したって意味がない。
耐えなくたっていい。
暁くんを深いトコまで飲み込んで、腰を振って、もっともっとねだる。
乳首に噛みつかれて、暁くんのをぎゅうって締め付けて、ナカに叩きつけられる熱い白濁に堪らず僕もイってしまった。
「・・・ぁん・・・ぃい、よぉ・・・もっとぉっ」
「湊、自分からおねだりして可愛いね。大丈夫だよ、ちゃんと、湊が眠るまで犯し続けてあげるから」
「ん、ぁん・・・あっあっあっ・・・っ!」
さっき出したばかりなのに、ナカをごりごりされてまたイってしまう。
そのまま挿抜を続けられると、イきっぱなしになって、僕はそのうち気絶するんだ。
この苦しいのを我慢すれば、今日が終わる。
眠って、そのまま目が覚めなければいいのに・・・。
「湊、だめだよ、気絶なんてしないで。ほら、今度は後ろからシようね?」
「やっ、ぁんっ、んぁあ──っ!」
いきなり一番深いところまで穿たれて、意識が飛びそうになる。
でも、崩れそうになる腰を引き戻され、がつがつと犯されると、気絶する事もできない。
「あぅっ、あんっあんっ、やぁあんっ」
また、どぷどぷとお腹に注がれて、僕も薄くなった精を垂れ流す。
ピルは飲んでるけど、こんなに流し込まれたら妊娠しちゃう・・・。
「ぁ・・・もぉ、おなか、いっぱぃ・・・」
「うん、ちょっとお腹膨らんでるかも。もっとたくさん中出ししたら、もっとお腹ぽっこりするかな。どれくらい大きくなるか試そうか」
「ひっ・・・ゃだ、やだっ、やめてぇ・・・っ」
暁くんは僕の腰を高い位置に固定したまま、また挿抜を始める。
ぐぢゅぐぢゅと厭らしい音が耳につく。
お腹の中をかき混ぜられて苦しい。
はやく気絶したいのに、腰を打ち付けられる度に悲鳴を上げて、暁くんのをきゅうきゅう締め付けてしまう。
そのまま、永遠にも思える時間、犯され続けて・・・。
「ああ、ほら、こんなにお腹が大きくなってる。可愛い湊」
「ん・・・ぅ・・・」
ぽっこりと大きく膨らんだ僕のお腹を撫でながら、暁くんが愛しそうにキスをする。
赤ちゃん、デキちゃった、かな・・・。
「湊、また泣いてるの?大丈夫だよ、ちゃんとピル飲んでるんだから、まだ赤ちゃんは出来ないよ。まだまだたくさん、楽しいコトしようね」
「・・・うん」
そう言って頷く僕は、涙を流しながら、嬉しそうに笑っていた。
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