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1話

「一歩一歩確実に立派な大人になれるよう精進していきたいと思います」 「新入生代表 蒼井かなで」 全校生徒が拍手を送る 新入生代表の挨拶を発表した、かなで君は僕の幼馴染だ。 かなで君はかっこいい。中学のときから 先輩にも後輩にも、同級生にもモテていた。 拍手を送る僕は 世の中の言葉でいうと【ゲイ】というらしい。 中学生になって、はじめて人を好きになった。 その子はだった。 **** 中学に入るまでは一緒に帰ったり、休みの日は遊んだりしていた。 中学に入り背が伸び、声変わりをし幼馴染は大人びていった。 身長は170センチなり、高身長さわやかイケメンになった。 大人びた幼馴染には憧れていた。 幼馴染は毎日、女の子から告白やら遊びの誘いやら受けていた。 登校中から下校中まで授業時間以外ずっと。 そんな幼馴染と僕はクラスで話さなくなり 次第に帰りも別になり、休みの日も遊ばなくなっていった。 ある日を境に僕は。今まで一番傍にいたのは僕なんだ。 幼馴染が女の子に取られてしまう。と思うようになった。 寂しくなると名前を呼んでいたり、幼馴染の声が頭から離れなくなったり。 いつのまにか憧れは好きに変わっていった。けれど 僕はこの気持ちを隠すことしかできなかった。 **** 入学式が終わり教室へ戻ると、先生が教科書を配り始めた。 かなで君が振り返るたびに心臓がどきどきする。 席は苗字順で決まる。かなで君の苗字は 僕はだから、かなで君の後ろの席に座ることになる。 つやがある黒髪が振り返るたび揺れ、シャンプーの匂いがする。 一生席替えしたくないなと思った。 そんな僕の高校生活がはじまった。

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