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ポッキーゲーム
「ポッキーゲーム?」
「そう」
「それは、どういうゲームですか?」
小さく首を傾げる水月 に、彰史 は
「一本のポッキーを二人で両側から食べ進めていくんだ」
簡単な説明をしたあと、取り出したポッキーのチョコレートがかかっていない部分を自分の口に咥えて
「ん」
と、反対側のチョコレートの付いたほうを水月に向ける。
水月は素直にそれを口に咥えた。
この時点では、結果どうなるかまだ考えが至っていない。
そして、ポッキーを食べ進めていき──残り5センチまできて、水月の頬が紅く染まった。
(このまま食べ続けていたら、彰史さんと……)
漸く気付くと、水月はポッキーを食べることに躊躇する。
彰史とキスすることは嫌ではないがこういう変則的なキスには慣れてない。
恥ずかしくて、ぎゅっと目を閉じる水月の唇に、ポッキーを食べ進めてきた彰史のそれが触れる。
軽く触れるだけのライトキスのあとで
「ご馳走さま」
彰史は悪戯っぽく笑った。
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2019年11月11日脱稿
11月11日はポッキー・プリッツの日ということで、急遽考えたSSです。
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