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 外はまだ明るい。普通の恋人だとか爛れた関係だとかならば、こんな昼間から情事に耽ることはないのだろう。そんなことを男に揺さぶられながらも、どこか冷静な頭の隅で考えてしまう。  別のことに気を取られていることに気付いた男は、やたらと前立腺を抉るように突いてくる。俺が弱いのを知っててやるから質が悪い。 「あっ、あっ、まって、……っ、ルーク……!」  普段はねちっこい抱き方をするくせに、今日はいつもより激しい。 「お前さ、俺がお前とこういうことするの、単に血の味を良くするためだと思ってるだろう」 「っ、違うの、かよ……」  俺の答えが気に入らなかったのか一段と強く腰を打ち付けられた。脳天から爪先まで、電流が走るような快感に飲まれる。 「んっ、ぅ……、も、もうっ、…ぃ…くっ!!」 「俺も……っ!」  腹の上に白濁を吐き出すと同時に、男もまた俺の中で果てた。 「ん……」  淫猥な音を立てて男のペニスが抜けていく。一息吐くと、果てたばかりの俺のペニスを握りこんでは、優しく緩やかに愛撫した。  男の唇が首筋に触れ、舌でなぞり、そして鋭い痛みを感じた。噛まれた箇所から少しずつ血液を吸われる感覚が、快感で麻痺した脳をさらに莫迦にする。空気に触れて凝固する前の血液を摂取するのは、決まって俺を抱いた後だけ。だからこそ、直接吸われるこの感覚がこの上なく気持ち良い。 「……おい、ルーク。俺が餌だから、セックスしてんじゃないのかよ」 「違うよ」  即答だった。ずっと血液の質を上げるための行為だと思っていたから驚いた。 「確かに抱いた後は血の味が良くはなるんだけど。……それ以前に俺はお前を愛してるからね、キオ」 「餌に愛情持ってどうすんだよ」 「手塩にかけて育てた食材は美味いだろう?」 「ケッ」  噛み跡の固まった血を舐め取った唇は、そのまま俺の唇を啄み、何度も小さな音を立てる。そして交わした濃厚なキスは、深く、甘美で、鉄の味がした。

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