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 大人の男二人が入るには明らかに狭いトイレの個室で、俺は望まない無理な体勢を強いられている。  抗議の声をあげることもできず、漏れ出す声はすぐに甘さの混じった悲鳴に変わるのだ。  トロけた鳴き声なんて漏らすものかとプライドと意地で自分の腕を噛みしめるが、それを許すまいとのしかかった男に激しく責め立てられ、噛みついた腕の痛みでは誤魔化しきれない津波のような快感に脳を揺さぶられる。  便座に座らされた大の大人が為す術無く足を大きく開かされた、あられもない姿。  脱げ切らない下着とスラックスが片足の足元で頼りなく引っかかっているのが邪魔だ。  だがそれを気にする余裕もない。  腰を折り曲げられ突き出すように晒された臀部には、熱く、硬い、杭が打ち込まれていた。  その杭が獰猛に胎内を擦りあげ、共有した粘膜と熱に互いの体の境界線がわからなくなる。頭が茹でられて思考がままならない。  トン、トン、と角度を変え、心得たように中のシコリを刺激されると、はじめは怒気を隠さない表情で低く唸り抵抗していた俺は、次第に快感に媚びるように中を締めつけてしまう。  吊り上げていた眉は情けなく垂れ下がり、射殺さんばかりの目は、熱にうかされ蕩けそうなほど潤んだ。  食い締めた唇の端からは乱れた呼吸では啜りきれず唾液が溢れる。  汗を滲ませたカラダは快楽の熱に炙られ火照り、抵抗することなく与えられるがまま肉欲へ溺れていく。  いつもそうだ。  男の性だからか俺自身の性質か、頭がおかしくなりそうなくらい弄ばれ、犯され、高められる。  こんなに気持ちがいいなら、いいか。  ……そう思ってしまう。  男に、コイツに抱かれる快感を。  熟れた胎内に注がれる、火傷しそうなほど熱い白濁の味を。  覚え込まされ、刷り込まれ──牙をむいた唸り声は、甘えた発情期の雌犬のようなそれに、変わり果てた。  もう後戻りはできない。  全ては、そう。 『ダメですよ。まだへばらないで、ね? くくく……先輩らしく、後輩の面倒見てくださいよ。ほら』 『うあっ、ぐっ……っも、やめろクソ、がぁ……っ!』  全てわかった上でニンマリ笑ってキスを落とす、どうしようもなくサディスティックで天邪鬼な、年下の男のせい。  あぁ──誰かこの暴君を殴ってくれ!

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