6 / 415

05※

 マジかよクソッタレ。コイツ人のケツをなんだと思ってやがんだクソ野郎め。  怒りが湧いて腹立たしさが増す。  商売女だってもっと労られるだろうにいろいろ雑に解され、謎の怒りが湧く。もっと優しくしたっていいはずだ。先輩だぞ俺ァ。  ギリ……ッ! と納得がいかなくて、奥歯を噛み締めた。  いつだって俺を振り回してきた三初だが、この暴挙は流石にトップランク入りレベルでムカつく。  引き攣れて痛みをじんわりと滲ませる穴の中で、三本の指は軒並み根本まで深く潜り込んでいる。  プリン液でぬかるんだ肉襞は指を追い出そうと蠕動するが、三初は容赦なく螺旋状の動きで掻き回しねじ込む。  俺の中で抜き差しを繰り返す指は窮屈そうにヌチュ、ヌチュッ、と音を立てながら、身じろぎした。抜け。気持ち悪い。あとちょっとなんか変な感じする。 「ねぇ先輩、もっと緩めてくださいよ。でないと後で痛いのは先輩ですからね?」 「今もイテェよアホか! もういいから早く抜けッ。今ならゲンコ一発で許してやるから、んぁッ……!?」 「はっ、ゲンコ嫌なんで抜きません」  ニヤリと笑った三初が中の指をググッと曲げて粘膜を引っ掻いた途端──ビクンッ! と体が跳ねて、電流のような快感がバチッと腹の中から脳みそを駆け抜けた。 「ちょうどいいもん見つけたし、ね」 「あっ? なにっ、ぅ、くっ」  続けざまにコリッコリッと同じところを三本の指で抉られ、おもちゃのように何度もビクビクと震える。  なんだ、これは。  自慰する時の様な直接的でわかりやすい快感ではなく、陰茎の根本の裏を腹の中から擦られているような感覚だ。  気持ちいいのかわからない。  でも、指がクンッと突きあげるたび、意識とは関係なく筋肉が弾かれた。  微かな声が僅かに甘みを持ち、押し出されるように漏れてしまう。  こんなのは、俺が今まで知らなかった快感の得方。未開の秘部が変貌し、快楽の琴線がバカになる。  そこを強く押されると、勃起していないのに透明な粘液が内側から押し出されそうな気分になるのだ。  背筋を駈ける違和感から反射的にキュッと中を締めつけ、三初の指の動きを襞でなぞると、勃起してしまいそうな淫惑があった。 「はっ、ぅおっ、っぐ」 「ふ。そーゆースイッチみたい」 「ンッ、な、なんッ? これ、ぁ、やめ、勃つから、やめろッ」 「いいんじゃないですか? 先輩も一緒に勃たせて、お互い気持ちよくイキましょう?」 「馬……ッ触んな、ッあ、ッ」  ジュポッジュポッと激しく指で襞をこそがれながら、体にぴたりとひっつくほど両足を押さえつけられ、そのまま剥き出しの陰茎を擦られる。  勃起こそしていなかったがじゅわじゅわと粘液を滲ませつつあった肉茎は、確実に淫靡な思考をもたらし始めた。  三初の滑らかな手で柔らかく揉み込むように擦られ裏も表も同時に責め立てられると、屹立の先端から赤い粘膜が顔を出し、トロ……と粘液が滴る。 「あ、っ……っん、ふ……っ」  次第に抑えきれない喘ぎ声が溢れ始め、気がつけば俺は、与えられる快楽に耽っていた。  ぢゅぷぢゅぷと粘着質な音を立ててかぎ爪状に曲げた指が三本、深く潜り込み、中のしこりをゴリゴリ削る。  裏筋をツツ、となぞられ、急いた蜜がコプリとあふれた。三初はそのたびにそれを遊びのように親指で拾い、執拗に粘膜へ塗りこむ。  正直言って……気持ちいい。  初めは確かに不快だったはずだ。  しかし妙に時間をかけて慣れさせられていくと、いつの間にか不快感は薄れ、受け入れた先の快感を拾い始める。  指を挿れられた時はあんなに肌が粟立って、気持ち悪かった。  なのに直腸内が熟れると、前立腺への刺激は普段の自慰とは違うスパイスのようだ。つい、無意識にキュウキュウと指を締めつけてしまう。  皮膚が突っ張るような痛みでひきつれていた入口は、別の器官へと変貌し始めていた。

ともだちにシェアしよう!