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「す、好き、だ」
「フッ……んー?」
「好きだ、三初……っみはじめ好き、だ、すき、っひ、ぃひ……っ」
喉奥が引きつって、腰が痺れ、ビクビクと端から体が痙攣し始める。
またイク。出る。頭が変になる。
終わりにしてほしいのに、終わらない。コイツが俺を、終わらせてくれない。
「もっとたくさん言って?」
「好きっ……ん、ひぐ、っ好、きっ……すき……っ好き……っ好き……っ」
「俺が?」
「そう、おっお前が、っす、好きだ……っ」
「そのままずっと」
「俺は三初が好きだぁ……っ」
キツく目をつぶって決壊寸前の涙腺を腕でこすって堰き止めながら、何度も何度も好きだと言い続ける。
押しつぶされる前立腺から響く快感が根元からジュワ、と淫液を押し出す。
ダメだ、嫌だ、好きだ、嫌だ、好きだ、好きだからもう、嫌だ、許して、やめろ、もう嫌だ。──もうイク……!
「ヒッ、ッあ……ッあ、あぁ……ッ!」
自分の体が一際大きく波打った瞬間。
三初の手の中で張り詰めていた屹立がビクッビクッと震え上がって限界を訴え、尿道口から透明な液体が飛沫を吹いた。
覚えのある強烈な絶頂感だ。
ピシャッ、と自分の腹にかかる熱い体液。いつもあちこち飛び散る。
三初の言うとおりすっかり癖になっているせいで初めて仕込まれた時よりも容易に迸る、子種のなり損ない。
嫌だって言ったのに、言われたとおりに感情を吐露したのに、こんなのってあんまり酷いだろう。
「あぁぁぁ~……っなん、っか出た、またっ……ぁっ、……ふっ、……っん」
「またイっちゃいましたねぇ。……あー……最高に、クるわ……ククク」
「っ……んも……ぁ…ひぅ……」
自分の身体や顔を自分で汚して今の姿がどうなっているのかすらわからないほど崩れ果て、ビクッ……ビクッ……と断続的に痙攣する身をただ無様に横たえた。
泣きながら告白させられた挙句に結局イかされるなんてあんまりだ。
もう三初が俺のことを好きだというのは嘘だったんじゃないかと思うくらい手酷い扱いで、どうにか膜を張って堪えていた涙が、目元を淑やかに濡らす。
「お……俺好きって言った……言ったのに、何回も……っ嘘つき……も、嫌い、嫌いだっ……お前なんか大嫌いだ……っ」
「あらら、嫌いなんてよく言いますよ。自分だって意地っ張りの嘘つきなくせにねぇ、俺がダーイスキな先輩?」
「好き、も、やめる……ぅ、っ」
「あーあ、そんなに泣いて……中身までガキになったのかな」
「ゲホッ……ッは、ぁッ……」
当てつけながら涙腺を擦っていた腕を掴まれて、無理矢理顔を覗きこまれた。
やはりニンマリと機嫌のイイ猫は「赤くなってる」と言いながら覆いかぶさり、顔を近づけて目元の涙を舐めとる。
「ま……好きなだけ意地張ってればいいよ。一度捕まえたら、そう簡単に逃がすような俺じゃないし」
「んっ……ふ、っ……んふ……」
そのまま舌は唇へ移動し、別人のように優しく舐めたかと思えば、ゆるりとキスを落とした。
『先輩は愛想笑いが嫌いなんですか?』
『は? 別に。社会人はするもんだろ』
『え。じゃあどうして俺はダメなんでしょう』
『そりゃあ、俺は今日からただの三初 要の先輩になったんだから──……それ以外のお前なんか求めてねぇ、ってことだよ』
「あんたがそっぽ向いても、俺はあの日からずっと、あんただけ見てるんだから、ね」
第五話 了
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