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その代わりに、サキエルからの約束げ付き物なのは毎回の事である。
「まず、下級魔族を率いる相手を必ず把握する事!」
「解っています。相変わらず、君は心配性ですね」
「はぁぁ…」
「無理はしないですし、ちゃんと相手を確認します。他に、何かありますか?」
ウリエルの返答に小さな溜め息を吐いた。
まだ何かあるのかと、不服そうな顔をする彼を見たサキエルは、肩を落とした。
「…もう、行きなよ」
「えぇ、行ってきます」
それ以上の意見をしたって、聞いてくれないのを彼は知っている。親玉が誰かを把握すれば、ウリエルの性格からして部下に下す命令は『下級魔族だけを全て全滅しなさい』となるだろう。
魔界帝国エリート組の息の根まで止めろと無茶な命令は下さない。
ウリエル自身も彼方の脅威を知っているからだ。どんなに力を持ち合わせている大天使だろうが、彼等からすれば人間(ひと)と同じ。
面白味があれば、玩具の一種として物珍しい品でしか過ぎない。
「はぁぁっ」
下級魔族が問題じゃない。
サキエルは親玉である魔界貴族に注意を払って欲しいと切に願った。自分達とは違う戦闘スタイルのウリエルを初めて瞳に入れる事により、興味を示された場合を考えた。
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