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第1話

 レスラーの被るような覆面を被った若い男が大理石の床に全裸で縛られている。 「ご……主人様…………。戯れを私めにお与えくださいっ…………」  股間のモノは勃起し、後ろの穴にはもう何かが挿入されて蠢いていた。  場所は主人と呼ばれた若き家主・夜海百合夜/やみ-ゆりや/の寝室床だった。 縛られている男は、ここの下男・句緒/くお/だった。 雪男のような父親から生まれた子とは思えぬ繊細な顔つき・肌質を持つクオは他の家からも欲しいと言われるほど綺麗だった。だから百合夜はそのすべてを断り、毎晩こうして自分のベッドの脇に彼を転がして楽しむのだが、最近こいつを犯したくて仕方なくなってもいたのだった。 「戯れとは……。誰にそれを教わった」 「渡に……」  渡/わたり/とは彼の父親だ。母はもうこの世になく、父親と息子のクオを下男として雇っていた。 この時代。いい地位につくには身分の高い人に気に入られることが第一で、自分の気持ちがどうのこうのと言う時代ではなかった。 いかに生き延びるか。それが第一の時代、気に入られるものならば、たとえそれが同性だろうとどうと言うことはない。むしろ正妻からは重宝がられる都合のいい存在だったとも言われていたくらいだ。  百合夜は今までクオをペットのように扱ってきた。裸にして紐で縛ってから股間をいたぶり、後ろにバイブを突っ込んで楽しむ。何度か射精させてから、クオの前で勃起したモノをしごき彼に精液をかけることで満足していたのだが、今日に限ってクオはそんなことを口にした。 「駄目……ですか…………?」 「今日はしたいことがあるから駄目だ。それが終わったら考えてやる」 「あ……りがとうございますっ」  したいこととは。今日に限って百合夜は彼に覆面を被せた。綺麗な顔が見られないのは残念だが、この覆面は目がネットになっていて口だけが自由に開くようになっていた。だから普段とはまた違った行為をしているようでいいのではないかと購入してみたのだ。  まずは開いている口に紐で猿轡をする。後ろ手に縛った体を天井から吊るして床スレスレで固定して尻を手の跡がつくくらいバシッと叩いた。 「ううっ! ぅ……!」  びっくりしてクオが呻くが構わずもう片方も叩いた。 「ううっ! ぅぅぅ!」 「綺麗だ。白い肌に紅葉のような跡がつく」  その後、それを間近で鑑賞してから舐めて味わう。それだけでは物足らずクオの股間を弄り袋をしゃぶり楽しんだ。 クオも嗚咽を漏らしているところを見ると相当感じているのだろう。またモノを固くして腰を揺らしているようだった。 百合夜は彼の尻を何発も叩いて、それだけでは飽き足らずベルトで赤く跡が残るほどに打ってからようやく吊るしていた紐を緩めて床に降ろした。 「ふぅっ……ぅぅ……ぅぅぅぅ…………」  猿轡をされているクオは小刻みに震えながらもモノから汁を垂らしていた。 「尻が痛いか?」 「ううっ……」 「よし。では今からバイブを取って入れてやるぞ」 「ぅぅぅっ……」  体を縛っている全部の紐を解き四つん這いにさせるとニュルッと尻から大型のバイブを取り出す。 「そのままにしていろ」 「ぅぅ…………」  クオは覆面をつけ、猿轡をされたまま四つん這いの姿勢でヒリヒリする尻を擦ることも出来ずに待っていた。 百合夜はそんな彼の脚の間に膝をつくとズボンと下着を途中まで降ろした。 「もっと脚を開け」 「ぅぅ……」 「まあ、今まで男根サイズのモノが入ってたんだから痛みはさしてないだろう。しかし生身は初めてなんだろう?」 「ぅぅ」  聞くとコクコクと縦に頭が揺れる。これでイエスと答えなかったら、そういう行為も渡が教えていたことになってしまうから悲しいところだが、そうではなかったので安心して秘所にモノをあてがう。そしてゆっくりとその初めてを味わうようにモノを挿入させていく。 「ぅぅぅぅぅっ…………」 「どうだ? 根本までしっかり入ったぞ?」 「ぅぅぅっ……」 「気持ち良かったら腰をくねらせろ」 「ぅぅ」  言うよりも早く腰が魅惑的に動く。それに気をよくした百合夜はクオの腰を掴むとガンガン出し入れを開始したのだった。 「うっ! うっ! ううっ! ぅっ!」 「どうだ? 生身のモノはっ!」 「ぅぅっ! うっ! うっ! うっ!」  パンパンと音がするほど腰を打ち付けて奥へ奥へと入れようとする。それに抗うように見を捩らせて身悶えるクオの姿が、顔が見えない分、余計に興奮してしまった。 「悪いな。一度目はもう出るっ! ぅっ……! ぅぅっ! ぅ……」  女以外への挿入は初めてで、意外にもキツくて調子が良かったせいか、早く達してしまった。クオの中にドクドクッと射精すると満足して引き抜く。それと同時に四つん這いになっていたクオがバタンッと床に倒れ込んで、ヒクつきながらトロトロッと射精していた。 ○  それ以降、クオは昼間は父と一緒に下男として雑用をこなすが、夜は主人のベッドで共に過ごすのを許された存在になった。 毎日その行為があるわけではないのだが、クオは毎晩主人のベッドで過ごした。綺麗に身を清め、裸で主人の横に身を横たえる。体を弄られ股間のモノを弄ばれて眠りにつく。知らない間に縛られていたり、犯されていたりするのだが、それがクオの仕事なので相手を楽しませるのに必死になる。  今日もまた知らない間に陰毛を全部剃られていた。 「袋も切り開いてしまいたいくらいだ」 「そればかりはお許しをっ……!」  目を輝かせる主人である百合夜に必死になって許しを請う。 「じゃあ、脚を開いて抱えろ。尻に入れるっ」 「はっ……はいっ」  さっきしゃぶって大きくなっていたモノがそのままで先走りの汁を滴らせている。クオは迷わず自らの脚を抱えると開いて秘所を露わにしたのだった。 「お前の尻の味を知っているのは、私だけだな?」 「はっ、はい。ご主人様っ」 「渡とは、してないな?」 「も……ちろんですっ! 父とはっ……そ……んな経験はございませんっ!」 「そうか……。それなら安心だが…………、美男と野獣と言う組み合わせも面白いな」 「ご勘弁くださいっ……! 父とは、けしてそのようなことはっ…………!」 「ならいい」  昼間は男根サイズのバイブを挿入義務化させられて、いつでもどこでも主人がしたいと言えば即座に応じられるような体制を取らされていた。 しかしその実、クオは主人との交わりを覚えてから、渡からの求めにも応じる他なかったのが現状だった。 「お前、臭うな」 「ぇ?」 「ご主人様に抱かれただろう」 「……」 「悪戯だけじゃなく犯られただろう」 「……」 「言いたくなければ言わなくてもいい。だがな、ちゃんと俺には分かるんだよっ。卑しい臭いがするからなっ」 「父さん……」 「ケツ出せ。俺も母ちゃんがいなくなって久しいんだよ。どうせガバガバなんだろ? 入れても分かりゃしないって」 「だけどっ…………」 「お前、父親の言うことが聞けないのか?」 「だけど俺はご主人様に……」 「言わなきゃ分からないって。ほら、早くしろよっ」 「ぇ、なんで?! なんで父さんにそんなことっ!」  抗って見せるが、所詮体格差からすぐに組み敷かれて服を剥ぎ取られて秘所にモノをあてがわれる。 「お前はもうガバガバの淫乱野郎なんだから、誰に犯られても同じなんだよっ。ご主人様の精液を飲み込んだ時から、便所になる運命なんだ」 「……」 「いいか? これからは、誰かにしたいと言われれば「どうぞ」と脚を開くのがお前の仕事だ」 「で、でも俺はご主人様にっ……!」 「忠誠は誓ってもいいが、体は売女だ。よく仕込まれてる。組み敷かれただけで、お前もう汁流してるぞ」 「そ……れはっ…………」 「分からないようにするから言うことを聞け。お前はもう便所なんだからっ」  言われたことに驚いている間にすんなり挿入される。 「あっ……ぁっ……ぁぁっ……ぁ…………。やっ……や……めてっ……! やだっ! ぁ……! ぁぁっ……んっ…………!」 「いったい何を教わっているんだかっ……。こんなに淫乱な体になりやがって」 「んんんっ! んんっ! んっ!」 「ご主人様の横で毎晩寝るのはどうだ? ふかふかのベッドは、こんなところより気持ちいいだろう?」 「んっ! んっ! んんっ!」  父親の大きなモノを出し入れされて抵抗どころか、力を抜くのが精一杯で、クオは中出しされて秘所からそれを溢れ出していた。それからと言うもの、父・渡にとってクオはそれ用の道具でしかなく、下が駄目なら上の口での奉仕を常とさせられていた。初回であるこの時も、汚れたからと言う理由で秘所に突っ込んだモノを口に含みもう一度射精するまで奉仕させられた。 「まったくお前はなっ……。俺に似ず、母さんに似たのが運の尽きだ」 「ぅぅ……ぅっ…………」 「綺麗過ぎるんだよ、お前は。せいぜいご主人様に可愛がってもらうんだなっ」 「ぅぅぅぅぅっ……!」  ドクドクッと流れ込んでくる精液を飲み込むしかなくて、クオはむせながらそのすべてを飲み込んだ。 「はぁはぁはぁ…………」 「また勃起してやがるっ。まったくお前は、よく仕込まれてやがるよっ」 「ぁ……」  言われて自分の股間に目をやると確かにちょっと勃起していた。それもこれも毎晩弄ばれているせいだと思うが、それは口に出来ない。クオはノロノロと勃起したモノを手で隠すと、ついでに握りしめていた。 「いやらしい奴めっ。ここで射精して見せろっ!」  髪の毛を引っ掴まれてグイグイされると見せなくては収まらない。クオは渡の前で涙を流しながら自分のモノをしごいて射精したのだった。 「うっ……ぅぅっ……ぅ…………」 「クオ。妾になった気分はどうだ? 正妻が来ても可愛がっていただけるように、俺が色々教えてやるからなっ」 「………………」  それは素直に喜べるものではなく、クオに疑問を突きつけるばかりだった。しかし、それでも生きて行かなくてはならない。他の世界を知らないクオにとっては現実を受け入れて行くしかないのだった。 終わり 20190816 タイトル「ご主人様のお気に入り」

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